魔法少女まどか☆マギカ

１１話から１２話まで一気に視聴。
ネタバレしない感想としては、非常に面白かった。とだけ。
一応、ネタバレなので折りたたみ。
１０話でほむほむの真実を明かすことで持ち上げておいて、１１話でまどかが最強の魔女となった理由がほむほむの時間巻き戻しだと明かして落とすウロブチさんマジ鬼畜。
自身の願いが、まどかを不幸にしている事実により、ほむほむさんを絶望させようとか…。
ＱＢさんはまどか(中学生)相手に、人類史にまで及ぶ大演説やら記憶を垣間見せる等のオトナゲ無い説得(と言う名の追い込み)とか。
最終回直前の盛り上げとしては、非常に良く考えられている。
あと、ブリキの絵がちょうかわいい。
そして、最終話。
時間を巻き戻せば巻き戻すほど、まどかの不幸が大きくなる以上、これを最後の決戦としてワルプルギスに挑むほむほむの火力がマジぱ無い。
しかし、予想通りワルプルギスは倒せない。
絶望に魔女化する寸前のほむらの前に現れ、全ての事情や背景を知ってなお、まどかが望む願いとは…と言う辺りが、実にウロブチ。
本人が愛や友情によって紡がれる幸せな物語をどれだけ希求しても、ウロブチは「因果を無視したハッピーエンド」というファンタジーを描けない。
結局は、まどかという最後の魔法少女を生贄として、魔法少女の魔女化を阻止するという「うちゅうのほうそくがみだれる」結果に。
まどか自身の願いにより、まどか自身も魔女化せずに「死ぬ」事が出来たけれど、結局は人間としての幸せは全て放棄している以上、完全なハッピーとは言い難い。
最高の友人であるほむらとは、ほむらの最期の瞬間に一度だけ会える事が確定しており、それは数少ない救いでもあるが。
ところで、最期を救われた魔法少女たちの中でも、美樹さやかの立ち位置は特殊である。
ある意味まどかと同じ「他人の為の願い」だったが故に「救いきれなかった」という点で。
「全てを無かった事」にすれば、さやかを生かす事は出来たが、それでは恭介の手を治す代償としてさやかが悩み、苦しんだ想いも全て否定されてしまう。(当然、恭介の手も治らない)
それ故に、さやかは死に、最期に恭介の演奏を聞いて絶望を乗り越えて消えていく。
規模は小さいながらも、まどかと同じ道を歩んだと言う点で、ほむらとは別の意味で「(まどかの)最高の親友」だったのかもしれない。
ラストの禍々しい翼を広げて魔獣を屠って行くほむらについては、個人的に「まどかを守る私になりたい」という願いが、「法則」「現象」と化したまどかを追い続けるために不老不死になった結果、とんでもない未来でも戦い続けている、というように解釈した。
コレはこれで、救われない話だろうなぁ、と思いつつ。
しかし「希望」という一片の救いがあるだけ、ウロブチは成長した…のか？
もしかして、誰かが「あの未来の先にあるまどかとほむらの幸せな結末」を、Fate/Zeroの先にFateがあるような感じで誰かに描かれる事を期待していたりして。
とりあえず、色々な意味で考えさせられ、楽しめた作品だと思う。