gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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日立・三菱重工 統合へ 13年に新会社、世界受注狙う :日本経済新聞

 日立製作所三菱重工業経営統合へ向け協議を始めることで基本合意した。2013年春に新会社を設立、両社の主力である社会インフラ事業などを統合する。原子力などの発電プラントから鉄道システム、産業機械、IT(情報技術)までを網羅する世界最大規模の総合インフラ企業が誕生する。両社の売上高は単純合計で12兆円を上回る。両社の経営資源を結集し、新興国を中心に社会基盤事業の受注拡大を狙う。基幹産業である電機と機械それぞれの最大手である両社が統合しグローバル展開に挑むことで、日本の製造業が競争力を取り戻す転換点となりそうだ。
統合対象は原子力や火力などの電力プラント、水処理や再生可能エネルギー分野、鉄道車両など社会インフラと、情報制御などITを中心に幅広く協議する。いずれも両社の主力事業で、公正取引委員会の認可が得られれば、13年4月をメドに統合新会社を設立する方針だ。
統合形態や三菱重工の防衛部門の扱いなどについては、今後の協議で詳細を詰める。経営統合が実現すると、国内の製造業では売上高でトヨタ自動車に次ぐ規模になる。
日立は電力など社会インフラ事業とITシステムをともに手掛ける世界唯一の総合電機メーカー。各国で計画が相次ぐスマートグリッド(次世代送電網)などを構築するには、発電プラントや送配電機器などのハードに加えてITが欠かせず、米ゼネラル・エレクトリック(GE)など世界の有力な電機メーカーにない強みがある。
三菱重工原子力や火力など発電関連機器を幅広くそろえるなど、重電事業で圧倒的な競争力を持つ。世界各国で建設計画が相次ぐ風力発電地熱発電太陽光発電など再生可能エネルギーの大手でもある。
東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故により、成長分野と位置付けていた原発プラント事業の将来性が不透明になった。急速な円高で競争環境が激変したことも両社の統合を促した。
新興国を中心に社会インフラ整備が今後加速するのは確実。米モルガン・スタンレーによると、世界のインフラ投資額は30年までに累計41兆ドル(3150兆円)に上る。統合新会社はこうした巨大市場に攻勢をかける。
両社は主要な製品やシステムでも補完し合える。原子力発電プラントでは、三菱重工が世界で主流となりつつある加圧水型軽水炉(PWR)を、日立が沸騰水型軽水炉(BWR)の炉型をそれぞれ手掛けており、各国のニーズに柔軟に対応できるようになる。火力発電でも三菱重工は環境への負荷が小さいガスタービンを得意としているのに対し、日立は新興国の需要拡大が期待できる石炭火力向けの蒸気タービンに強い。
日立と三菱重工は00年に製鉄機械部門の統合で合意。昨年には水力発電機器事業を統合することで合意したほか、鉄道システムの開発・製造などで提携している。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E2E1E29AE18DE2E1E2EAE0E2E3E39F9FEAE2E2E2?n_cid=TW001

これはビックリの大統合というべきお話。
震災に伴う原発事故のお陰で、逆風が吹いては居るものの、エネルギー関連事業は、年々増大する世界のエネルギー消費量に対して、成長が見込める分野だから、統合によるリソース集約と効率化は、メリットが大きいと判断したのだろう。
少し勉強すれば判る話だが、再生可能エネルギーは得られるエネルギー量が小さく不安定なため、増加し続ける世界のエネルギー消費量を支えるには全く足りないのだ。
しかし、安定的かつ大容量発電が可能な火力発電に関しては、これから先絶対に化石燃料が安価にならない以上、火力発電の増加は将来的に高くつく可能性が高い。
となれば、建造コストこそ高いものの、一度設置すれば最低でも四半世紀は格安(日本の場合、自治体への補助金やらマスゴミや政治家への付届け等、周辺コストが嵩んでいるから高いだけで、燃料費だけを見れば火力の1000分の1)で発電できる原発導入は発展途上国ほど導入を望む事になるだろうし。
閑話休題
原発推進派と受け取られるのは嫌だし、選択の余地があるなら原発は廃止していくべきだと思うのだが、現状では原発の代替となる「実用」可能な技術が無い。
太陽電池は一番有望ではあるが、風力、潮力、地熱といった再生可能エネルギーによる発電は、日々安定供給を主眼に置くべき発電技術として、火力や原子力発電に取って代わるなんて事は不可能だからである。*1
これは、根本的に経済的な理由なので、水が高きから低きへ流れるのと同じくらい「自然」な流れであり、無理に抗っても経済的に疲弊するだけで、必ず破綻する。
本気で脱・原発を望むなら、非食物由来のバイオ燃料を研究し、原油より安く大量に調達できるようにして(ここが重要)、バイオ燃料で火力発電するのが一番現実的じゃないかと思う。

*1:そして中期的なコストは火力>原子力である。廃棄物処理廃炉のコストを考えればあんまりプラスじゃないし、福島で証明したとおり、事故のリスクを考えれば高くつく事もあるのだが、政治も経済も100年先なんて長期的な視点を持たないのだ…