gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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戦律のストラタス - PSP

戦律のストラタス - PSP
世界観と設定に興味があり、キャラクターデザインがエナミカツミと、零の軌跡シリーズと同一で、メインヒロインのCVが遠藤綾と、近いこともあり、購入。
比較的短いこともあって、1周目クリア。
普段なら、ゲームメーターに短い感想をつけて終了なんだけど、色々と書き留めておきたい事があるので、こっちにも書いてみた。
以下、壮絶なネタバレ含むので、未プレイ時は絶対読まないことを推奨。
という訳で折りたたみ。
河野一二三シナリオって、どうして終わり方が残念なんだろう…。
無限航路とか、今回の戦律のストラタスとかも、SF要素はかなりツボで、ゲームの導入と中盤は非常に楽しいのに、終盤というかEDで主人公とヒロインが割を食う終わり方で、すっきりしない。
エヴァとかファフナーに似ているとか言われているようだが、どちらかというとゼーガペインに近いと思う。
二話で仲間がいきなり全滅したときには何事かと思ったり、三話で敵を倒すために生き残り(知り合い含む)ごと消し飛ばしたりと、ツカミはバッチリ。
そこで、四と五話で新型機と世界の謎に関わる一端を示し、六話でご褒美の水着回、七話で通常戦と短くもテンポ良くストーリーを進めてきたあたりでかなり引き込まれたのだが、八話で示された世界の真実。
この世界(プライマリバース)は仮想現実世界であり、小惑星衝突によって滅亡しつつある現実世界(セカンダリバース)から脱出してきた一部権力者たちによって恣意的に運用されている世界だとか、プライマリバースに居る人間で、移住者である権力者たちを除く全ては、一種の仮想人格(AI)でしかない、という。
ヒロインである鷹乃巣楔は、五話に登場したとおり、プライマリバースへ移住しておらず、祖父である鷹乃巣巌が生み出した、現実の禊より若い姿で再生した仮想人格だし、当然、主人公である九断征四郎も仮想人格に過ぎないという。
…うん、まあアリかな。
ミームは、移住者達の成れの果てであり、情報体として拡散しきってしまう前に、定期的に仮想人格と同化して補給しないと消えてしまうため、地球側の権力者と結託して、茶番である対ミーム戦争を行っていたのだという。
しかし、二話でミームに同化された八神拓海は、プライマリバースの開発者であり、現実世界で楔と恋人だった一守征海の人格を持った存在で、ミームを逆に支配して暴走。
本来は茶番であったはずの戦争をやめ、移住者によって、本来の形から大きく歪められたプライマリバースを取り戻し、全ての人類(移住者、AI問わず)を同化平衡させてしまう事を目的とした。
…まあ、これもまだ良い。
で、一度は敗北し、同化した筈の征四郎と禊が復活。実は一守征海のバックアップは3つに分割されており、征四郎と妹の命、八神の三つで一つ、ミームに取り込まれて暴走した八神から、本来の一守征海の人格データを取り戻した征四郎(一守征海)は、八神を倒した。
…ここまでは、良い、つーか王道といえる。
んが、最後に八神によって一度は完全に同化されてしまったプライマリバースを再構築する必要があるのは判るのだが、何故、それが征四郎と禊の消失(というか拡散)になるのかと。
一守征海という管理者が居て、システムの復元をするだけなのに、なんで代償が要るんやねん、と。
ただ普通のハッピーエンドにしたくない、というだけの演出にしか見えなかった。
ついでに言えば、あくまでも復活するのはプライマリバースだけであり、今この瞬間も滅亡しつつある現実世界は無関係であり、正常化したプライマリバースへ、現実世界の人間たちが移住するという訳でもない。
…これ、実はAIが自我を得て、創造主である人間の手を離れて幸せに暮らしましたとさ、というお話だったんじゃないかと…。
それならそれで良いんだけど、穿った目で見れば、という話であり、征四郎と禊が消えてしまった事で、誰にとってのハッピーエンドだったのか、という点に疑問が残ってしまった。
面白かったんだけど、なんともモヤモヤする終わり方だなぁ。
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