gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

キンドル上陸、二刀流の切れ味:日経ビジネスオンライン

(前略)
楽天は新製品を投入して対抗
アマゾンは日本で電子書籍タブレットの2つの土俵に切り込む。
「現時点で最も競争力のある製品だ」。日本のライバルメーカーもこう認めざるを得ないキンドルペーパーホワイトは、北米での圧倒的な人気と世界的なブランドで「先行者優位」を誇る。産声を上げたばかりの日本の電子書籍業界もにわかに動き始めた。
7月に電子書籍端末に参入したばかりの楽天は、11月1日、「Kobo Glo(コボ・グロー)」などの新製品の日本投入を発表する。既に米市場では投入済みで、暗所でも読めるフロントライト付きと、キンドルを意識した新製品だ。9月に「Reader(リーダー)」の新製品を出したばかりの老舗、ソニーの出方も気になる。
新興勢力も動き出した。凸版印刷グループで電子書籍ストア「BookLive!」を運営するブックライブもまた12月をメドにNECと組み、通信機能も含めた電子書籍専用端末を販売する計画を進めている。このほか電子書籍ストア「eBookJapan」を運営するイーブックイニシアティブジャパンも、12月中旬をメドに1万円程度のタブレット端末販売へ向け動き出した。
いずれの企業も今年の年末商戦に焦点を当て発売の準備を進める。アマゾンは過去、クリスマス商戦で大幅にキンドルの売り上げを伸ばしてきた。それだけに「ここで独走を許せば取り返しがつかない」(国内メーカー)。
(後略)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121101/238911/?P=2

世界的なサービス相手に、この期に及んで国内統一も出来てない泡沫どもが、今更のように慌てても、泥縄と言う以外の表現が見つからないのだが…。
特に、BookLiveやらeBookJapanといったAndroidiPhone問わないソフトウェアサービスが、収益性の悪いハードウェアに手を出してメリットが有るはずも無い。(Amazonやら楽天と差別化できる程のサービス提供ができないから)
特定のジャンルに特化するとか、取り扱い書籍数を増やすとか、ソフトウェアサービスだからこその優位性を伸ばすべきなのに、負け組NECと組むとか、自殺行為にも程がある。

(前略)
ジェフ・ベゾスアマゾン・ドット・コムCEO(最高経営責任者) に聞く
(中略)
■消費者はディスプレーを重視
−−−−9月6日に米国で発表した際、米アップルのiPad、米グーグルのNexus(ネクサス)7と比較してキンドルファイアHDの優位性を強調した。奇しくも日本ではiPad mini(ミニ)と同じ日の発表になったが、優位性に変化はないか。
iPadミニはまず価格が高い。さらに我々のようなHD(高精細)画質じゃなくSD(標準)画質で解像度も低い。キンドルは比較にならないほど多くの機能を盛り込んだ端末なんだ。iPadミニは単なるSDデバイスにすぎない。この一言に尽きる。それでいてiPadミニは米国で329ドル、我々は199ドルだ。日本でも大きな価格差がある。これだけでも説明は十分じゃないか?(笑)
私が思うに消費者がタブレットを選ぶうえで重視するのはまずディスプレーの性能だ。もう1つが通信速度。ウェブサイトへのアクセスだけでなく、ストリーミングで動画を視聴したり、ファイルをダウンロードしたりというのが主な用途だ。Wi-Fiのスピードが速く、かつ帯域が広いことが重視される。
最後がコンテンツとハードウエアをどれだけきれいに統合しているか、だ。購入者はハードウエアを買うのではなく、サービスを買う。優れたコンテンツがあり、さらにはハードウエアと統合されていなければならない。
(後略)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121101/238911/?P=4

全くの正論。
ユーザがコンテンツを表示するディスプレーの性能に拘らない訳が無い。
加えて、あくまでコンテンツがメインであり、表示デバイスに過ぎない電子書籍専用端末が高価である、というのは本末が転倒している。
少なくとも、iPad miniの方が提供するサービスに、キンドルと比較して130ドル(約1万円)分の差は無いし、端末性能では、ほぼ全て負けている。
性能とサービスを冷静に比較すると、iPad miniは、ブランド以外の魅力が無いのだ。
…惜しむらくは、日本の消費者の大部分は、個人的価値観の確立が未成熟なので、世間的に評価されたブランドに価値観を依存してしまう傾向があることだけど。
キンドルも売れていけばブランドを確立する余地は十分にあるけれど、現時点でAppleのブランドに比べれば2枚ほど落ちるイメージ。
Nexus 7なんかもそうだけど、日本国内販売がもっと手広く、品薄にならなければ、初動が一番売れる日本市場でもっとシェアを伸ばせた可能性は高い。*1
キンドルアメリカですら品薄なようだし、日本でも発売当初は品薄になる可能性が非常に高いけど。
日本人にとって、数少ないまとまった休暇が取れる年末年始にキンドルを使ってもらえるか否かは、間違いなく顧客の満足度が変わってくるだろう。
とりあえず、人柱の趣味は無いので、ゆっくり年末商戦を横目に評価を待って、Nexus 7キンドル、どっちかを買おうと思う。
…まあ、現時点ではNexus 7優位、日本版キンドルの3Gモデルが、どの程度使えるかによるかなぁ。

*1:ただし、Nexus 7は統合コンテンツサービス端末というイメージが薄く、優秀な7インチタブレットという印象。特に3G回線を弱体化させたのは失敗だったと思う。これは海外では無料のWi-Fiサービスが充実している為、低速で有料の3G回線を重視する必要性が薄い為で、その真逆な日本向けには30ドル程度高くなってもLTE対応版を選択できるようにして欲しかった