gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ニホンウナギ 絶滅危惧種に 消費見直し資源回復を 専門家「踏み込んだ判断」 | カナロコ

日本の伝統的な「夏のスタミナ食」として愛されるニホンウナギが、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト絶滅危惧種と分類された。専門店や産地からは価格高騰などへの懸念が広がる。一方で、資源の枯渇に警鐘を鳴らしてきた専門家は「踏み込んだ判断」と評価。これからもうなぎを食べ続けるためには、何が必要なのか。日本人の食文化を、世界が注視している。
ニホンウナギだけではなく世界のさまざまなウナギに関し、IUCNは資源保護の観点から踏み込んだ判断をしてくれた」。北里大海洋生命科学部(相模原市南区)でウナギの研究を行う吉永龍起講師(42)は、今回のレッドリストへの分類をそう評価し、「消費の見直しだけでなく、資源回復へ積極的な取り組みを」と訴える。
絶滅の危険性が最も高い「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」に先んじて分類されているヨーロッパウナギは、中国が大量に稚魚を輸入して養殖し、それを格安で輸入した日本が大半を消費。資源の95%以上を枯渇させた苦い過去がある。
吉永講師らは毎年、牛丼チェーンやスーパーなどのうなぎをDNA鑑定し、種の特定の調査を進めているが、「ヨーロッパウナギは今も普通に売られている」。ニホンウナギの代替種として需要が高まっているインドネシアなどに生息するバイカラも今回、レッドリストの分類が格上げされており、「『第二のヨーロッパウナギになる』との懸念の表れ」と指摘。乱獲で枯渇すれば別の種に飛び付く−という悪循環が断ち切られることに期待する。
ウナギ資源の保護の必要性を提言し続ける東アジア鰻資源協議会も、今回のIUCNの分類を支持した。ただ、「レッドリストも、国際取引を規制するワシントン条約も、実効性はない」と吉永講師。「これからもウナギを食べ続けるには、もはや消費のあり方を見直すより、資源回復のために何ができるかを考えるべき」と訴え、こう強調した。「今のままでは、本当にニホンウナギは絶滅する」。
ニホンウナギ 日本をはじめとする東アジア地域に分布するウナギで古くから食材として利用されてきた。グアム島周辺の太平洋でふ化した稚魚が海流に乗って日本沿岸に回遊し、河川や湖沼で成長。5〜10年たつと、再び、河川を下って海に出てグアム島近海まで到達し、産卵する。河川環境の悪化や乱獲によって各国で個体数が減少。養殖用の稚魚(シラスウナギ)や加工品のウナギが毎年、大量に中国や香港、韓国などから日本向けに輸出されている。

http://www.kanaloco.jp/article/72938/cms_id/86006

日本におけるうなぎ消費量は2002年から減少の一途を辿ってて、2008年の中国毒うなぎ事件で激減、今では最盛期の1/4以下にまで激減して居る。*1
グラフの末端である昭和60年(1985年)当時に比べても半分以下。
稚魚の漁獲高減少は、うなぎ消費量が減少に転じた2002年以降も止まらず、むしろ2005年以降は例外的な年を除いて漁獲高は減少の一途を辿っている。*2
さて、獲る量と食う量が減っているのに、資源回復の兆しが無い点を無視して、「消費見直し資源回復を」と言い出しているのだが、それで本当に資源回復するのか?
少なくとも、それを示してくれるデータは存在しておらず、むしろ人間による捕食以外の理由が浮かんできそうな状況で、「漁獲規制して様子見」という選択しは、むしろ座して死を待つレベルなんじゃないかと。
仮に、「即時の完全漁獲停止、輸出入も禁止して資源回復を待つ」という選択肢を選んだ場合、まずうなぎ料理専門店が全滅する。当然、技術の継承なども無く、失われるのみである。
クジラを見ればわかるとおり、供給が極端に絞られると、需要に関しても急速に萎んでいくのが当然であり、将来的に完全養殖のうなぎが商用として市場に供給されたとしても、その高価格を買い支える市場自体が縮小・消滅している可能性が高い。
現実的な解としては、もう天然うなぎの絶滅は回避できないと諦めた上で、天然うなぎを食い尽くすまでの間に、完全養殖うなぎを商用ベースにまで落とし込む。
それ以外の場合、回遊魚としてのシステムが人類の活動という巨大な歯車によって歪んで破壊され、もはや自然回復が望めない状態のうなぎは、絶滅するしかないんじゃないかな。
少なくとも地球温暖化について、世界で最もCO2を輩出しているアメリカと中国に、即時停止が求められるだろうか。
…どう考えても、無理でしょ?