gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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情報収集衛星、見えぬ効果 最新の商業衛星に劣る解像力 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

三菱重工業宇宙航空研究開発機構JAXA)は24日、情報収集衛星「光学5号機」を載せたH2Aロケット28号機を26日午前10時21分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げると発表した。
日本では過去最高の解像力40センチ級となる見込みの光学5号機だが、最新の商業衛星は30センチでさらに上を行く。米軍の偵察衛星は、米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡とほぼ同じ設計で、解像力は10センチかそれ以上とみられる。日本は情報収集衛星に年600億円以上を投じているが、安全保障や防災にどれほど役立っているかは見えないままだ。
情報収集衛星は1998年、北朝鮮テポドン発射を機に導入され、2003年に打ち上げが始まった。運用する内閣衛星情報センターは「商業衛星を凌駕(りょうが)する」ことを目標に、光学衛星の解像力を1メートルから60センチ、40センチと高めてきた。
だが、グーグルマップに解像力50センチの画像を提供してきた米デジタルグローブ社は昨夏、最新鋭のワールドビュー3を投入。国内取扱店の日本スペースイメージングは先月、解像力30センチの画像の販売を始めた。1枚十数万円から一般人でも買える。
米科学者連盟の推定によると、米軍はハッブルと似た設計の偵察衛星を複数運用している。近年の偵察衛星はさらに大型化しているとみられ、解像力は10センチを切っていると考えられる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150325-00000029-asahi-sci

アホだなぁ…。
ハッブル宇宙望遠鏡は、大気圏外に望遠鏡を置いて、大気の揺らぎ無しでの宇宙観測を目的としている。
宇宙から、分厚い大気の層越しに地表を撮影する光学偵察衛星とは、全く用途が違うのに、「米軍はハッブルと似た設計の偵察衛星を複数運用している」(キリッ)とか、馬鹿過ぎて呆れる。*1
あと、商業衛星なんだから、広告は三味線無しの「全力で30センチ」なのに対して、日本の光学衛星は準軍事用途なんで、性能は「公開できるレベル」に留められている。
なんで、日本の情報収集衛星の画像が全て「非公開」かっていうと、写真1枚でも公開したら解像度がバレるからなんだが。(逆に言えば、一般公開する場合は、解像度を落とすフィルタがかけられていると考えるべき)
あと、光学分解能を上げたければ、実は物理的に「衛星の飛行高度を下げる」「衛星を巨大化させて、(ハッブルのように)デカい観測機器を乗せる」で概ね解決できてしまう。
しかし、飛行高度を下げると空気抵抗が増えてリブースト頻度が上がり、衛星寿命が減る。
衛星を巨大化させると、リブーストに必要な燃料が増えて、更に衛星寿命が減るし、1基辺りの衛星価格もべらぼうに上がる為、アメリカ位軍事予算が無いと運用できない。
加えていうなら、日本は情報収集衛星から得られた情報を分析・解析する部門の規模が、アメリカの1/15以下しかない為、徒に光学分解能を上げても、「物理的に処理できない」という限界もある。
なんというか、カタログスペックでしか物事を理解できない朝鮮人みたいな記事だなぁ、と思ったら朝日新聞の記事だった。
なるほど、名誉朝鮮人は、脳のスペックも似るらしい。

*1:ハッブルに搭載しているのと同じくらい大規模で精度が高い観測装置を搭載している…という書き方ならともかく