gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

武雄市教育用タブレット端末 不良品続発明らかに|政治ニュース|HUNTER(ハンター)|ニュースサイト

(前略)
昨年4月から今年3月にかけて、報告されたトラブルは287件。新学期開始直後の4月9日だけで23台もの初期不良が報告され、その後も毎月数十台のペースで機材の不良が見つかっていた。
(中略)
機材自体が不良だったと認められるものが204件で、全体の約6.5%に上っていたことも明らかとなった。
(中略)
IT関連の機材を扱う複数の業者に聞いたところ、「不良品の率としてはかなりの高さ」、「ちょっと考えられない不良品の数」、「端末不良は通常3〜4%。5%を超えることはない」、「機種選定の段階で、チェックを怠った可能性がある」などと話しており、いずれも武雄市が購入したタブレット端末に問題があったのではないかとの認識を示している。
(後略)

http://hunter-investigate.jp/news/2015/04/post-676.html

まず、3153台ものタブレットを、小学生が、1年間使って故障数が287件、約9.1%
…これ、多いか?
個人的には、むしろ、よくその程度の故障台数で済んだものだと、佐賀県の小学生を見直したぐらい。
安価な海外BTO製タブレットだと、大人が普通に使っていても、それぐらいは壊れる。*1
ちなみに、この記事で問題になって居るタブレットは国産のARROWS Tab。
型番はQ584/Hで、佐賀県学習用PC特別モデルと呼ばれるもの。*2
富士通の機材が、飛び抜けて品質が良いなんて、微塵も思っていないけれど、中華タブや海外BTOメーカーの製品に比べれば、品質面では上である事は間違いない。
あと、自分が知る富士通教育機関向けの納品の場合、導入の際に業者が全部手作業でセットアップしてから引き渡してたんで、起動しないとか、電源が入らない、といった不良品はまず、そこで判明すると思う。
仮に、個々の学生に直接新品を配布して、セットアップからやってもらう方式*3だったとしても、端末の不良率ってのは、導入台数が多いほど、平均値(3〜4%)へと収束して行く筈が、3000台も導入しているのに、平均値より明らかに「過大」になって居るのは、その機種全体の不良率が6%だというならともかく、違うなら使用者側に問題があったと考えるのが自然だと思う。
なんせ、使用者は「小学生」である。想定外の操作をするなんて、当然だろうし。*4
最後に、価格面だけど、
関連:佐賀県の県立高校が導入する5万円のWindowsタブレットは、高い? 週アスPLUS

(前略)
タブレットに5万円負担、は高いのだろうか?
佐賀県教育委員会によれば、導入するタブレットは『ARROWS Tab Q584/H 佐賀県学習用パソコン特別モデル』とのことです。Q584/Hは『ARROWS Tab QH55/M』の法人向けモデルとなっており、こちらをベースに高校生向けにカスタムしたモデルと考えられます。
スペックは、プロセッサとしてAtom Z3770(Bay Trail)を搭載、メモリは4GB、ストレージは64GBなど、基本構成を踏襲しています。着脱可能なキーボードは本来オプション品ですが、佐賀県向けモデルではキーボードを含んだ“2in1”仕様となっています。
アプリケーションは『Office Professional Plus 2013』を搭載。これはボリュームライセンス用のOfficeで、『Access』、『InfoPath』、『Lync』を含む上位エディションです。そのほかにも辞書ソフトとして、三省堂の国語辞典、英和辞典、古語辞典を含みます。保証期間は、本体は3年間と長く、ペンとバッテリーは1年間保証となっています。
これらの構成を富士通の直販サイトで購入しようとすると、Officeやキーボード、3年間の保証を含めると、価格は少なくとも12万円以上一方、佐賀県向けモデルでは本体価格が7万4千円となっており、かなりの割引が設定されていることがわかります。
実際には、このほかにも電子教科書など1万円ぶんの教材が含まれているため、総額は8万4000円程度。新入生が負担する金額は5万円なので、残りの超過分は佐賀県が補助するとしています。さらに、タブレットに含まれる2万円相当の紙の教材を購入する必要がなくなることから、実質の負担額は3万円程度になるとのことです。
公立高校において、全員が5万円のタブレットを購入しなければならないという点は、たしかに議論の余地があるといえます。たとえばすでにタブレットを購入してしまった家庭では、二重に購入することになるからです。しかし最新のWindows 8タブレットがこの価格で手に入る機会はめったになく、十分に魅力的なオファーという印象を受けました。実際の負担額である5万円についても、奨学金や分割払いを可能にする貸付制度が用意されるようです。
(後略)

http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/190/190036/

という訳で、業者のボッタクリ説は完全に否定できる。
別に、富士通の回し者でもないし、佐賀県タブレット端末を使った授業が失敗続きでいろいろ問題を抱えていた点について、擁護する気は無いけれど、少なくとも、この記事は最初から「問題をあげつらう事を目的として」色眼鏡で批判し、問題の本質を歪めて解釈させてしまう恣意的な記事のように思える。
多分、こういう記事を書かれると判っていたから、県は資料の提出を嫌がったんじゃないかな。

*1:ウチで30台ほど納品した際に、保証期間1年以内に電源が入らなくなった2件、バッテリーが膨らんだ1件発生した事がある

*2:https://www.pref.saga.lg.jp/web/var/rev0/0174/4285/2014319113951.pdf

*3:使用者が小学生と言う時点で、無いと思うが

*4:それを織り込んで頑丈な機種選定しなかった方が悪い、なんて言うなら、最初から価格上限を設けるなと言う話。端末1台につき30万出せるなら、パナソニックのタフパッドが使えただろう。しかし、そんな金額を親に請求できるだろうか。結局は、現実と予算の折り合いをつけるしかないのだ