gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「駅員への暴力」が増えている原因は何なのか | 通勤電車 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

「頭突きしてケガをさせる」「ネクタイを引っぱる」「ビールをかける」これらはすべて暴力です!――。昨年12月7日から、鉄道係員への暴力行為防止を呼び掛けるポスターの掲示が一斉に始まった。
(中略)
この民鉄協のデータには発生場所や発生時間帯、飲酒の有無も載っていて、やはり一番多いのは発生時間だと深夜帯、飲酒の有無では飲酒ありのケースだ。
(中略)
だが、深夜帯で飲酒ありばかりかというとそうではない。時間帯では2割が9時から17時、つまりラッシュアワーではない昼日中の時間帯に発生している。さらに、しらふで暴力をふるう人が2割もいるのは驚きだ。年齢層はまちまちで、20代から60代以上まで全ての年代に分散している。
(後略)

http://toyokeizai.net/articles/-/103971

つまり、酔っぱらいを駅に入れなければ、暴力事件の8割は消えるんだね。
謎は解けた!!
閑話休題(それはさておき)
この統計で、あっさり暴力老人が増えてるんじゃない、全年代に分散してるじゃん、と騙される人は、マジで詐欺に注意した方が良い。
なぜならば、当然だけど「電車を利用する」のは、全年代が平均して乗っている訳がないからだ。*1
当然だけど、働き盛りの30〜40代が最も多く、男性全体の55%を占め、全体から見ても36%程を占める。
一方で、50代男性は全体から見て11.7%、60代男性は5.2%、70代以上男性は0.8%に過ぎない。
また、女性が少ないのも当然で、利用者数は大体男性の半分だ。
これらの統計結果を加味すると、真に統計結果が「全ての年代に分散している」ならば、50代男性は30〜40代男性の約3倍、60代男性は約7倍、70代以上に至っては45倍の暴力発生率となる。
女性は、20代での男女利用率に差は無いが、30〜40代では男性の半分、50代や60代では1/3、70代以上で半分となる。
もし、真に統計結果が「全ての年代に分散している」ならば、女性は男性の2〜3倍の暴力発生率となる。
元記事では、数値情報や引用データ元を書いていないので、確認できないのだが、この記事に、利用者統計情報を一つ加えるだけで、記事の趣旨とは全く異なった結論が導かれる。
なお、調べてみたら一次ソースが見つかった。
関連:鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について (平成27年度上期/大手民鉄16社)【PDF】
これによると、加害者の年代は10代1人、20代15人、30代21人、40代26人、50代19人、60代16人、70代以上7人と書かれている。
…これを「全ての年代に分散している」と強弁するのは、無理がありそうだ。
パーセンテージに替えてみると、
10代1.0%、20代14.2%、30代20.0%、40代24.8%、50代18.1%、60代15.2%、70代以上6.7%となる。
さて、この数字から、利用者割合辺りの加害者数割合を計算してみると、一番平和で安全で暴力を振るわないのが、20代で、0.62。次いで30〜40代が0.87。その次が50代で1.16
この辺りまでは、まあまあ平均以下の暴力性と言える。
そして、60代が2.23。いきなり50代の倍である。
所謂、キレやすい10代が2.46。わかいなー。
そして、そんなキレやすい若者達なんぞより何倍も凶悪なのが70代以上8.62!!
…どう考えても、世代別で暴力事件に偏りがあるんですが…。
あと、この資料には、女性に関する数字は一切書かれていない。
つまりは、取材による「印象情報」であり、

(前略)
首都圏の鉄道会社に勤務する筆者の知人によれば、暴力行為に及ぶ人は「基本的にスーツ姿のサラリーマン風の男性」なのだそうだ。我が国はまがりなりにも先進国である。つまり、先進国のホワイトカラーの男性が加害者なのだ。
ちなみに、さすがに女性では「暴言を吐く人はいても、暴力行為に及ぶ人は見たことがない」という。
(後略)

http://toyokeizai.net/articles/-/103971?page=2

という文章は、取材した知人たった一人の印象情報に過ぎない物だった。
流石金融ジャーナリスト、やり方が汚い!なんというか、若者のスマホに切れる60代以上の老人と、それを受けて立つ10代の若者のガチンコが暴力増加の原因じゃねーの?