駅や車内にポケモン出さないで…ＪＲや私鉄要請 : 社会 : 読売新聞（YOMIURI ONLINE）

スマートフォン向けゲーム「ポケモンＧＯ」を巡り、ＪＲや私鉄各社など全国３２の鉄道事業者は２６日、ゲームの開発会社に対し、「歩きスマホ」によるホームからの転落や列車との接触の危険性があるとして、駅構内や車内にキャラクターが出現しないように求める要請書を提出した。
ＪＲ東日本などによると、開発会社からは「キャラクターは線路に出現しない」と説明を受けたという。ただ、出現しない範囲が明確でないことから、要請書では「（開発会社の対応によって）安全・安定輸送が確保されているとは到底考えられない」などと指摘した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160726-OYT1T50125.html

この話は、２つの意味で実に残念でアホらしい話であり、この要請書を出した日本の企業と、このニュースに疑問を感じない日本人の頭の悪さにはガッカリする。
まず、この要請書が意味するところは、出した日本の企業が無意識のレベルで国民を馬鹿にしている話である点。
「世界の一般市民と異なり、日本国民はアホで俺達上級国民が適切に管理指導しなければ、死んでしまいます」という意味になるからだ。
そもそも「ホームからの転落や列車との接触の危険性」を挙げてゲームメーカーに要請書を出す、という話自体が筋が悪い。
何故なら、それらの事故の最大原因であり、死亡者も幾度と無く出している「お酒」を理由に、飲食・酒販メーカーに「販売自粛」とか「酔客は駅やホームに立ち入らせないようにしてください」という要請書を出した事が無いからだ。
つまり、ダブルスタンダードであり、差別である。
こうした「新た強い異物を叩き潰す」反応こそが、日本でＧｏｏｇｌｅやＡｐｐｌｅ、マイクロソフトのような巨大企業が一代で誕生する余地が無い原因の一つである、と思うので、この日本人の悪癖が浮き彫りになったニュースとして、重ねてガッカリさせられた。
更に言うなら、ゲームが管理しているのは「座標情報」でしかなく、それを削除する事をゲームメーカーに求める権利なんて、「地権者には存在しない」にもかかわらず、複数の団体が相次いで削除要請を出している点。
ただの座標情報に文句を言える権利なんて無くて、あるとすれば写真や建物の名前を使われた場合に、その使用を拒否する程度で、それだって地図に乗せないというレベルで徹底しているならともかく、実際には全て地図上に記録されている公開情報だ。
上で書いた飲酒と同じで、ポケモンに文句を言うなら、地図や地図を利用したＷｅｂサービス全てに文句を言わなければ、ダブルスタンダードだ。
結局のところ、出た杭を打つ以外の意味合いが無い、日本人の保守性を根にした差別って話なんだけど、その事に差別問題にうるさいマスゴミさんが気づいていないのも、まあ彼らの言う「差別」が実に薄っぺらい一面的な物であることの証左である。
いやはやホントに日本人である事に対して、幾重にもガッカリさせられるニュースである。