gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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潜水艦も値下げ迫る=軍備増強もコスト削減意欲−米大統領:時事ドットコム

【ワシントン時事】トランプ米大統領は26日、FOXニュースのインタビューで、「潜水艦が不足しており、新たに建造する」と述べた。その上で、「価格が高過ぎるため、値下げするつもりだ」と強調した。潜水艦の具体的な種類には言及しなかった。軍備増強を掲げつつ、兵器のコスト削減にも敏感なトランプ氏の姿勢を改めて示した形だ。
トランプ氏は選挙戦で、潜水艦を含む米海軍の艦艇増強を公約した。中国の南シナ海進出などが念頭にあるとみられる。 
トランプ氏は最新鋭ステルス戦闘機F35についても「コストは制御不能だ」と述べ、製造費の高さを批判し、製造元の航空機大手ロッキード・マーチンにコスト削減や値下げを迫っている。(2017/01/28-00:59)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012800021&g=int

アメリカの攻撃型原潜の現行艦級は、バージニア級であり、これは冷戦崩壊で高価格なシーウルフ級調達を打ち切って、コストダウンしたシーウルフ級として開発された艦である。
シーウルフ級の前級で、現役でもあるロサンゼルス級は、性能と価格を両立した優秀艦であったが、既にバージニア級で置き換えられる事が決定しており、その方向で退役が進んでいる。
…流石に、ここに今からメスを入れる(新艦開発する)のは、キツいというか、無理だろう。
となると、戦略原潜である「オハイオ級潜水艦更新計画」の方を指していると考えるべきだろう。
これは、アメリカ唯一の戦略原潜である18隻のオハイオ級の次級を2021年から建造開始し、2031年から順次交代して行く計画である。
元々、戦略原潜は空母に匹敵する巨額な建造開発費が必要とされる艦種で、冷戦崩壊でオハイオ級は調達数が2/3へと削られた経緯がある。
当然、「ポスト冷戦」と呼ばれる緊張が緩和した時代に移行した現在、更なる削減が求められ、現時点での調達数は12隻、ユニットコストは49億ドル以下と削減するように求められており、更新計画は既に2年の遅延が起こっているという。
…つか、オハイオ級がユニットコストが20億ドルで、GDPが当時から比べて2.5倍以上になっているアメリカで49億ドル以下って事は、「オハイオ級と実質的に同じ調達コストで、1.4倍の艦体規模の戦略原潜を作れ、あ、総調達数は2/3に減るから」ってぐらいの無茶なのだが、金を出す側はは経済も軍事も素人の議員サマだしね。*1
閑話休題(はなしはよこにおいといて)
退役するオハイオ級の内、3〜4隻で良いから、日本に搭載核ごとレンタルしてくれると、助かるんだがなぁ…。
年間1兆円くらいなら、マジで払っても良いぐらいだから。
…まあ、原子炉の燃料棒交換だけで、1隻数百億円かかりそうだから、無理だろうけど。

*1:アメリカ人の平均年収は、この25年で高収入層は2倍以上に増えたが、中級層以下は1.3倍以下。日本の様に、減ってないだけマシなんだけど