gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

軍事的な研究と大学の関わり 公開討論会 | NHKニュース

防衛省が大学などの研究機関に研究資金を提供する制度を始めたことをきっかけに、安全保障技術など軍事的な研究と大学などとの関わり方について議論している「日本学術会議」が4日、公開討論会を開きました。参加した科学者からは、日本の科学者としてのあるべき姿勢や、安全保障技術の研究に関わることの是非について、さまざまな意見が出されました。
日本学術会議は、“科学者の国会”とも呼ばれる日本の科学者の代表機関で、防衛省が、おととし、将来的な防衛装備品の開発につなげようと、大学などの研究機関に研究資金を提供する制度を始めたことをきっかけに、安全保障技術など軍事的な研究と大学などとの関わり方について検討委員会を立ち上げ、議論を続けています。
この議論で国内の科学者などの意見を広く聞こうと、4日、東京・六本木にある日本学術会議の講堂で公開討論会が開かれ、会場が満席となるおよそ300人が参加しました。
はじめに、検討委員会の委員長が中間取りまとめを報告し、先の大戦で科学者が戦争に動員され協力したことへの反省について触れたうえで、学術研究は、自主性・自律性を担保する必要があることや、防衛省の制度は、政府による研究への介入の度合いが大きいことなどを指摘しました。
続いて、参加者全員で自由討論が行われ、この中では、「軍事目的の研究を行わないとしてきたこれまでの立場を修正したり撤回したりすれば、世界の科学者から日本に対して不信感を抱かれることになる」などとして、軍事的な研究は行わないという姿勢を改めて明確に示すべきだという意見が相次ぎました。
一方で、「学術会議の最終目的は、社会の負託に応えることで、自衛を含めた防衛に関する研究を一切、行わない場合、いったいその研究を誰がやるのか」などとして、安全保障を目的とした研究に関わることは認められるべきだという意見も出されていました。
日本学術会議の検討委員会は、4日の公開討論会で出された意見を踏まえて、来月までに最終報告をまとめることにしています。日本学術会議では検討委員会の最終報告をもとに、ことし4月に開く総会で何らかの見解を示すことを目指しています。
(中略)
今回の議論の背景には、日本の科学者たちが戦後、掲げてきた、「軍事目的の科学研究は行わない」とする声明があります。
(中略)
「科学者の研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、場合によっては攻撃的な目的のためにも使用されうる」と指摘したうえで、「大学などの研究機関は、軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究については、その適切性について、技術的・倫理的に審査する制度を設けることが望まれる」としています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170204/k10010865021000.html

つくづく、日本の研究者は、甘やかされてきた、と思う。
海外のロケット研究者や、数学的な暗号研究の最先端は、軍事とは不可分であり、最先端の研究がしたいのなら、嫌でも軍の金に関わる必要があると言う葛藤を乗り越えなければ、研究者なんて目指す事も出来ないのだ。
一方、日本で研究者をする限り、ロケットだろうがヒトゲノムだろうが、それがどれだけ転用すれば軍事的に有用な物でも、「平和利用しか使われない」と思考停止して、研究に邁進できていた。
これを「甘え」と言わずして、何と言うべきだろう。
いい加減、日本の研究者も、「自分の研究がどういった波及効果があるのか、本当にこれは平和利用以外の危険は無いのか」という点を意識して研究する時期に入ってきたのだと思う。
それを、「反対」と叫んでいれば、今まで通りに、何も考えずに平和目的の研究だけができる、なんて考えているのなら、海外に行って、より厳しい現実を見てくればいいんじゃないかなぁ。
多分、海外の最先端分野の研究者に「俺は最先端の研究者だが、軍事関係の研究はしてないし、これからもしない」とか言ったら、生温かい目で「そう、頑張って」と言われるか、鼻で笑って馬鹿にされるんじゃないかと。