gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中国の次世代ステルス戦闘機「J20」、実戦配備―仏メディア - エキサイトニュース

2017年3月10日、仏国際放送ラジオ・フランス・アンテルナショナル(中国語電子版)によると、中国国営中央テレビ(CCTV)は9日、中国空軍が次世代ステルス戦闘機「殲(J)20」を実戦配備したと伝えた。
J20は中国が米軍の戦闘機F22を意識して開発した国産戦闘機。中国国産輸送機「運20(Y20)」、大型爆撃機「轟6(H6)」とともに空軍に配備された。CCTVはJ20が雲を突き抜け、砂漠の上を飛行する映像を放映した。
J20は長距地弾頭、避雷レーダーなどを装備。中国軍の装備強化、西部への展開を象徴。広東省珠海で昨年あった航空ショーで披露されていたが、今回初めて官製メディアが空軍への配備を伝えた。中国は現在、世界で最も急ピッチで軍拡を進めている。英シンクタンクの国際戦略研究所(IISS)は先月発表した報告書で「中国の軍事技術は西側諸国をモデルにしている」と指摘していた。
中国は先週、今年の軍事費が前年比7%になると発表。米ブルームバーグ通信は、1991年以来最大の伸びと伝えた。中国の軍事支出は世界2位だが、首位の米国には大きく水を開けられている。(翻訳・編集/大宮)

http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20170312/Recordchina_20170312022.html

中国や韓国の言う「実戦配備」って、実態は「軍が試作機や低率初期生産機を受領した」ってだけな事があるからなぁ…。
アメリカ軍では低率初期生産機を受領し、各種テストを経て初期作戦能力(IOC)獲得を宣言したところで、「実戦配備」と言われるのだが、F35は低率初期生産機は2011年。
最低限の機能を確保して、B型が初期作戦能力(IOC)獲得を宣言したのが2015年である。(A型は2016年、C型は2018年予定である)
J20が公開されてから結構な時間が経っているので、いい加減完成していたとしても不思議ではないのだが、中国の場合、艦載機用の対ステルスレーダーだとか、武装コンテナ式の兵装発射技術とか、ロシアの既存機体からパクれない部分に関して、完成度以前の問題で、技術の有無の辺りから胡散臭いのよね…。
特に対ステルスのAESAレーダーに関しては、わざわざSu35Sをロシアから買う羽目になっているぐらいだし。
仮に、その辺りの問題が残りつつも、本格的な実戦配備に向けて、制式量産を開始したと言う話だとしても、今度はエンジンの問題が残る。
J20の性能を十分に発揮させるためには、ロシアの大推力エンジンが必須で、同様に艦載機としてロシアの大推力エンジンが必須なJ15と、ロシア製エンジンの取り合いをしなければならない以上、J15とJ20の総生産数は、中国が保有す居るロシア製エンジンの数で決まる。
ロシアは、ロシア製エンジンの輸出を、正式なライセンス販売したSu27およびSu35Sに必要な分しかしない方針であり、特に勝手にJ11Bなんてものを開発した事で、その締め付けはかなり厳しい物になっている。
J11Bの「国産化」を宣言した頃は、中国は時間を掛ければ、ロシアと同等のエンジンを国産出来ると見込んでいたようだが、現実は厳しく、未だに中国製エンジンはコピーに成功していない。
つまりは、現時点ではJ20は性能に疑問符が付いており、仮に性能が十分でも数を揃えられず、日本の脅威には成り得ない。
このニュースは、日本のF35配備進捗が順調なので、対抗上ぶちあげた情報戦の類だと思う。
ステルス機に対抗できるのは、ステルス機だけ、みたいな中国人の妄想*1を慰撫する為には、日本に対抗してステルス機を配備するしかないのだから。

*1:実際には、地上配備の対ステルスレーダーとデータリンクしてミサイルを誘導すれば、現用機でもステルス機を攻撃できる