gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「世界初!中国が海底メタンハイドレートの採掘に成功、2030年までに採掘を開始」…中国メディア! : 軍事・ミリタリー速報☆彡

2017年5月18日、央視新聞は記事「中国が初めて海底メタンハイドレートの採掘に成功=2030年までに商業採掘を開始」を掲載した。
中国国土資源部中国地質調査局は18日、南シナ海北部で海底メタンハイドレートの試験採掘に成功したと発表した。海底メタンハイドレートから天然ガスの安定採取に成功したのが中国が初だと主張している。
メタンハイドレートは低温かつ高圧の条件下で存在する、水にメタンが取り込まれた個体。「燃える氷」とも呼ばれている。莫大(ばくだい)な埋蔵量があるため、採掘技術さえ確立すれば新たなエネルギー源になるとの期待が高まっている。日本が世界の先頭に立って採掘技術の確立に取り組んできたが、中国も新エネルギー確保に向けて技術開発を進めている。試験採掘の成功に中国共産党中央も祝電を送っており、期待の高さがうかがえる。(翻訳・編集/増田聡太郎)

http://www.recordchina.co.jp/b178675-s0-c20.html

ちなみに、メタンハイドレートの分布を見れば判るけど、中国の領海内に公的には存在していない。
多分、公開していないだけなんだろうけれど、現状で発見されている埋蔵海域は「南沙諸島」または「日本海」それも、中国が日本海で一方的に排他的経済水域を主張するユーラシアプレートにも属していないので、中国が今の主張を変えずに掘れるのは、南沙諸島メタンハイドレートのみである。
元記事では、「南シナ海北部」とあるが、まんま南沙諸島周辺海域な訳で、採掘するなら当然のように周辺国ともめる事になる。
更に言うなら、日本海と異なり、重要航路でもある。
日本がメタンハイドレートの試掘に世界初で成功した時に、「海洋中のメタンハイドレートを軽々に採掘すれば、地質と生態に惨事をもたらす可能性がある」と文句をつけた話が、まんま、いやそれ以上のブーメランとして帰ってきた事は、都合よく忘れているのだろう。
…そもそも、日本の技術が出来上がったすぐ後に、都合よく「試掘に成功」というニュースが出ている時点で、その技術の窃盗元がどこかを端的に証明しているようなもんだ。
つくづく、日本にスパイ防止法が無い事、官が噛んでいる研究は、その情報の多くを公開しなければならないと言う制約が、どれだけ日本人の努力と国益を損ねているのか、共謀罪も必要だけど、さっさとスパイ防止法を作れと言いたい。
加えて言うなら、日本のメタンハイドレート採掘技術では、現状、シェールガスはもちろん、現行の天然ガスよりも採掘コストが掛かる状況で、更にはメタンが凶悪な温室効果ガスである事と合わせ、リスクに対するメリットが乏しい。
それでも中国が大々的にこうした主張を打ち出してきたのは、日中境界線上の白樺などと同様に、資源採掘基地に偽装した海上軍事プラットフォームを建設したいからだと思う。
金があるから、と言う事もあるんだろうけれど、日本と太平洋進出を狙った西進と、南沙諸島シーレーン確保に向けた南進を「同時に進められる」という軍事的脅威を、世界の大半が全く問題にしていないと言う現状と、当事者の一人である日本人が一番危機感が無いってのは、どうにかして欲しいわ。