gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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F-14イランでのみ現役のワケ 絶滅寸前「トムキャット」、独自改造重ね「固有種」へ? (乗りものニュース) - Yahoo!ニュース

「トムキャット」の生き残りはイランで独自進化?
(中略)
前作『トップガン』にてマーベリックの乗機となったのは、アメリカ海軍のグラマン社製F-14「トムキャット」艦上戦闘機でした。映画公開から30年が経過するいまもなお、F-14はとてもカッコいい機種として大人気ですが、現在F-14はどのような境遇にあるのでしょうか。
結論から言うと、F-14は2006(平成18)年にアメリカ海軍から全機が退役してしまいました。F-14は、試験において200km先の目標を撃墜したことさえある長射程AIM-54「フェニックス」空対空ミサイルの搭載能力を持ち、デジタルネットワークによる戦術情報の共有が可能であるなど、2017年現在の水準においても非常に高い性能を有する「艦隊防空戦闘機」でしたが、1991(平成3)年のソ連崩壊による冷戦の終結後は、とびぬけて強すぎるアメリカ海軍とF-14の敵となる存在が消えてしまったため、その活躍の場がなくなってしまったのです。
ですがF-14唯一の輸出先となったイラン空軍においては、いまだ現役です。イラン共和国といえば、アメリカとは非常に険悪な関係であったことが知られる中東の大国です。
(中略)
79機のF-14がイランに引き渡されたところで1979(昭和54)年にイラン革命が発生、帝国は崩壊しイラン共和国が成立します。
(中略)
「在イランアメリカ大使館人質事件」が発生。これにより、イランとアメリカの関係は決定的に悪化し、その結果、F-14アメリカからの技術的なサポートが一切受けられなくなり、部品の供給もストップしてしまいます。
困ったイランはF-14を持て余してしまいますが、のちに部品やミサイルの独自国産化や技術開発をすすめ、F-14を独自に改造・改良し自分たちのモノにすることに成功。その結果、最大の見積もりで推定40機程度のF-14が現在も生き残っているとされています。
(中略)
本家アメリカをはるかにしのぐ大戦果
(中略)
実際のアメリカ海軍におけるF-14の撃墜戦果は戦闘機4機とヘリコプター1機だけでした。
かたやイラン空軍のF-14は、1980(昭和55)年から1988(昭和63)年まで続いた泥沼のイラン・イラク戦争において、イラク空軍機を159機撃墜ともいわれる大戦果を挙げ、100km遠方からまさにワンサイドゲームで攻撃してくるF-14は、イラク空軍を恐れさせました。マーベリックをはるかに上回る11機を撃墜したイラン人エースも誕生しています。
(後略)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170601-00010000-norimono-bus_all

何と言うか、ソツのない武骨な優等生といった感のあるF15に比べると、F14は可変翼に必殺のフェニックミサイル装備、艦載機なので即座に最前線に投入される切り込み役、といった主役機っぷりが凄い。
エリア88でもシンの相棒であるミッキーの愛機として大活躍し、マクロスに於いては可変戦闘機バルキリーのデザインベースとして用いられるなど、日本でも人気が高い戦闘機の一つである。
しかし、裏を返してみると、可変翼は機体の信頼性を落とし、頻繁な整備を必要とする泣き所となり、一発47万ドル*1という高額なフェニックミサイルは、射程の長さに反比例して命中率は決して高くなく、そもそもアメリカ軍での実戦では、たった3発しか使用されず、命中ゼロという結果に終わっている。
必殺どころか、不殺兵器なのだ。
複座の艦載機という、「ぜいたく」な仕様は、金満軍事国家アメリカ以外では持て余すものであり、イラン以外の国では採用される事も無かった。
いわんや、アメリカですら、冷戦崩壊後には「使い道が無い」として、高すぎる維持費に耐えかね、退役させてしまっている。
…その結果、展示品として売却された機体から取り外された部品が、こっそりイラン密輸されてアメリカ軍F14D(トムキャット)の部品が、イラク軍F14A(ペルシャ)へと移植され、その多くが息を吹き返したのだから、皮肉な話ではある。
閑話休題(それはさておき)
トップガン2は、戦闘機の無人化、ドローン機の台頭により、戦闘機パイロットと言う職種自体が消えゆく時代を扱うとの事。
日本では、マクロスプラスで熱い感情を持った戦闘機パイロットと、冷徹なAI無人機との戦闘を描いたけれど、トップガン2では、ナード(オタク)な無人パイロットと、ジョックな戦闘機パイロットの物語を描くという噂も。
事実なら、何とも、アメリカ人らしいと言うか。

*1:今の物価に換算すると1発1億円以上