gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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防衛費5.2兆円超要求へ 過去最大|佐賀新聞LiVE

防衛省は2018年度予算の概算要求で、米軍再編関連経費を含め過去最大の5兆2551億円(17年度当初予算比2・5%増)を計上する方針を固めた。北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射への対処策として、海上自衛隊イージス艦に搭載する改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の取得費472億円を盛り込んだ。政府関係者が22日明らかにした。
政府が弾道ミサイル防衛(BMD)の新装備として導入を決めた地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」は、技術を保持する米国と費用面などの協議を進めるため、金額を示さない「事項要求」として記載。年末の予算案編成時に詳細な設計費を盛り込む。
概算要求ではBMD強化のため、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット「PAC3」の改良型「PAC3MSE」を205億円で取得。現行の自動警戒管制システムを107億円かけて改修し、高い高度に発射することで迎撃が困難となる「ロフテッド軌道」への対処力強化を図る。
弾道ミサイルの探知能力が向上する新方式の次期警戒管制レーダー(MIMO)の開発費196億円も計上した。
南西諸島の防衛強化を重視し、南西警備部隊の施設整備に552億円を充てる。最新鋭ステルス戦闘機「F35」6機を881億円で取得。新型輸送機オスプレイ4機も457億円で購入する。高速で滑空して目標を攻撃する新装備「島しょ防衛用高速滑空弾」の研究費100億円も計上した。
日米が使用する人工衛星を守る自衛隊初の宇宙部隊創設に向け、監視システムの詳細設計に44億円を盛り込んだ。【共同】

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/457208

そもそもの話、日本の国力から考えれば、5兆円なんて防衛費は少なすぎて、あと2兆円は最低でも積み増しすべきだし、米露冷戦とポスト新冷戦と言える米中の最前線と言う立地を考えれば、韓国の様にGDP比2.5%以上の防衛費(日本なら13兆円)を使ってても過大とは言われないぐらいなんだけど、未だにたった1000億円規模の積み増しでガタガタ言われる状況だからなぁ…。
この国家規模に比して半分以下とも言える少ない予算で何とかなっているのは、日米安保のお陰で、敵地侵攻用装備と人員をゴッソリ削ってても良かった立場と、東西冷戦のデタントで20年近い平和な時間が得られたからと、軍需以外の本業を持つ民間企業にべったりと依存して甘えまくった装備調達条件で国内装備を整えられるからであり、日本全体が20年以上も不景気の底に沈み、新冷戦が台頭している現時点でも、何の対策もしていないのは、政府…というより、国を取り巻く現状の変化を理解できない国民と、それを国民に知らせないようにして日本の弱体化に邁進するマスゴミに問題がある。
防衛兵器だけで、相手を撃退する戦力を持たず勝てる国家間戦争なんてものは、過去の歴史を見ても、存在していないのにな。
…さて、イージス・アショアは、現状…そう、敵基地攻撃能力を持たない中で、北朝鮮の核に対抗する手段としては、妥当と言える。
しかし、輸送起立発射機(TEL)から発射される弾道ミサイルを少しでも落とす確率を上げたければ、敵地上空でレーザーを使ったブーストフェイズ迎撃の方が有望とされる現状、日本の弾道ミサイル防衛は、極めて限定的かつ不足なのは間違いない。
PAC3MSEに関しては、既にPAC3が調達されてから10年が経過し、高度化するミサイルの性能に合わせた適切なアップグレードが必要である以上、必要かつ、妥当な対応だと言える。
F35とオスプレイ調達は元々の予定通りなので、特筆するべき事は無い。
ただ、「高速で滑空して目標を攻撃する新装備「島しょ防衛用高速滑空弾」の研究費」と「宇宙部隊創設に向け、監視システムの詳細設計」は興味深い。
予算規模的に、米中が絶賛開発中の、先進型極超音速兵器(Advanced Hypersonic Weapon)では無いと思うんだけど、
関連:【深く静かに】謎の「島しょ防衛用高速滑空弾」の正体【進捗中】 - Togetterまとめ
の最後でまとめられている話からすると、どうもAHWっぽいんだよなぁ…。
宇宙部隊創設に関しては、日本は先進国の軍隊としてはあり得ない事に、独自で運用できる偵察衛星を今まで持って居なかったから、その運用と解析に特化した部隊の創設からスタートする必要がある。
確か、アメリカからその辺りのソフト一式買うとか何かの記事で見た事があるんだけど、結局、解析に関わる部分は、自作しないとアカンのね。