gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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世界最小クラス ミニロケット打ち上げ成功 | NHKニュース

将来、世界的に需要が増すと予想されている超小型衛星を低コストで打ち上げようと、JAXA宇宙航空研究開発機構が実験用に開発した世界最小クラスのミニロケットが、3日午後2時3分鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。ミニロケットは搭載した超小型衛星を予定の軌道に投入し、打ち上げ実験は成功しました。
JAXAが新たに開発した全長およそ10メートルの世界最小クラスのミニロケットは東京大学が開発した超小型衛星を載せて、3日午後2時3分に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
(中略)
このミニロケットは去年1月に最初の打ち上げが行われましたが、飛行中に機体の状態を示すデータが途絶えたことから飛行が中断されていて、2度目の挑戦での成功となりました。
(中略)
今回、打ち上げられたミニロケットや衛星には、コスト削減のため家電製品などに使われる民生用の部品が実験的に使われていて、JAXAなどでは今回の打ち上げで得られるデータを民間企業にも積極的に活用してもらい、日本の宇宙ビジネスのすそ野を広げたいとしています。
(中略)
打ち上げにかかる費用はロケットと衛星を合わせておよそ5億円と、JAXAのほかの人工衛星の打ち上げに比べて数十分の1に抑えられています。今回の打ち上げ実験は、ロケットの低コスト化と信頼性を両立させ、世界的に競争が激しくなる超小型衛星の打ち上げビジネスに日本が参入していけるのか、その試金石となるものでした。
(中略)
超小型衛星の需要増大にともない、打ち上げを低コストで行えるようにしようとミニロケットの開発も盛んになっています。
(中略)
ここ数年は、電子部品の高性能化によって、持ち運びが可能なサイズの超小型衛星が開発され、宇宙空間を利用したさまざまなビジネスに活用する動きが広まりました。
これに合わせて、超小型衛星を低コストで打ち上げられるようにしようとミニロケットの開発も盛んになっています。
(中略)
超小型衛星を低コストで打ち上げられるミニロケットの誕生に、日本のベンチャー企業も期待を寄せています。
(後略)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180203/k10011314111000.html

打ち上げ成功は目出度い。素直に喜ぼう。
なお、「5億円」という価格は安価に見えるかも知れないけれど、低軌道(LEO)投入能力は4kg程度*1しかない。
今回打ち上げられた「TRICOM−1R」は3kgの超小型衛星であり、寿命は約1か月。
従来型の大型ロケットが露欧価格だと90億で、100kg程度の衛星を打ち上げられる事を考えれば、5億で4kgという「性能価格比」にどれだけ魅力があるか、疑問符が付く事は判るだろう。
元々、SS520は使い捨ての観測ロケットをベースに開発されたものであり、商用衛星打ち上げという目的に最適化されたロケットとは言い難い。
*2も書いたが、この性能を生かせるのは、軍事分野ぐらいでは無いかと思う。
価格的にも、アメリカから高速衛星回線を借りて使う無人偵察機(グローバルホーク)1機維持する額で、年間8基以上も打ち上げられちゃうんだし。

*1:Wikipediaの関連情報には、LEO 15kgという説もあるが、公式ページには「低軌道に 4kg以上」という記載のみ。空中発射型なら17kgという話が誤って伝わった可能性もある

*2:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/20170110/p4