衝動買いの結果は…

コイズミ 目もとマッサージ エアーマスク ホワイト KRX-4000/W

を4318円で購入した訳だが…。
結論から言おう。不合格。
１００点満点中５５点。(合格ラインは７０点)
商品としての着眼点は良い。機能についても、不満は色々あるが、頑張ってると判る部分もある。全く役に立たない訳でもない。
しかし、この商品で最もダメなのは、あらゆる部分から透けて見える「妥協」と「安易さ」だ。
おそらく、アイディアを出したり、機能を作る部署の人は、マトモなんだろう。それを統括して最終的に商品に仕上げた人間が、小銭を気にして安易に妥協するタイプのダメ人間だったのだと思う。日本の物づくりが凋落した諸悪の根源みたいなものである。
この商品のアイディア自体は、とても良い。
スマホが普及し、かつてない程に「眼」をケアする商品と言う物は、高い潜在的需要がある筈で、十分な効果があるなら、爆発的に売れると確信している。
しかも、顔に密着させて使う機材だから、他者と共有する事は憚られるため、「パーソナル」な商品として、一人一台売れる余地がある。
…が、この商品、顔の大きさに合わせてサイズ調整する機能が無い。
目の周りを温める温感機能だけならともかく、振動とエアによるマッサージ機能がある以上、目と目との間の距離と、顔幅に対する２か所の調節機能が必須だろうに、この商品は固定でワンサイズしかない。
更に言えば、男性用と女性用の区別すらない。
美顔器の一種なので、メインの購買層が女性を想定していると思うのだが、サイズは明らかに大き目の男性用サイズに作られている。
多分、小顔の女性が使った場合、こめかみに対するエアー機能は殆ど役に立たない事になっているだろう。
もちろん、振動モーターによる振動ならともかく、エアーによる反動に耐える必要があるから、下手に調整機能を付けると、それが原因で十分な性能が出せなくなるリスクもあるし、何より複雑化した機構は、故障の元だろう。
それなら、３サイズ…せめて男女で２サイズ用意するだけで、かなりマシになっていただろう。
しかし、小銭を気にして安易に妥協するタイプのダメ人間は言うのだ。「サイズ別で作るとコストが上がる、何より、特定のサイズが売れ残ったらどうするんだ！」と。
次に駄目な点。
ユーザーインターフェース。
眼を完全に覆う以上、スイッチは全て感触で何のスイッチか判るようにすべきだし、メインの機能ボタンを大きく、そしてあまり使わない機能を小さくデザインすべきだった。
しかし、この商品は「見た目」を優先して、ボタン配置を直観的な物から程遠いインターフェースとして作られている。
もう一度言おう。
この道具は、目が見えない状態で使う道具である。
なのに、外観デザインを優先したボタン配置とデザインって、アホかと。
何がどれぐらいアホかと言うと、見た目が良い円形に配置された６つの機能キーの内、半分の３つが「オマケ」のＭＰ３再生機能に割り当てられている。
その「オマケ」のＭＰ３再生機能も、ゴミの様な酷い仕様で、曲のソートも出来なければ、ランダム再生も出来ない不良品みたいなものだし、何よりこの商品、１日１回連続で１５分以上の使用を禁じているのに、１万曲再生可能とか、馬鹿だろうとしか…。
更にアホらしいのが、一番使うだろう、メインの電源(と時間延長)ボタンより、めったに使わないモード切替用のボタンが、一番押しやすい場所に配置され、電源ボタンは判りにくい場所に配されていて、しかも小さい。
もう一度言おう。
この道具は、目が見えない状態で使う道具である。
にも拘らず、モード変更や切り替えボタンを押下しても、電子音すら鳴らず、ＬＥＤ表示部が切り替わるだけ。
イチイチ外して確認しないと、何が切り替わったのかもわからないのだ。
ハッキリ言って、この全体のデザインに携わり、この仕様にＯＫサインを書いた馬鹿は、この商品を自分で使ってみなかったのだろうか？
何と言うか、振動とエアによるマッサージ機能がかなり惜しい線まで作り込まれている*1、仕上げの雑さが浮き彫りになって、不満がたまると言うか。
目が疲れる商売をしていて、この商品に顔がベストフィットしている人なら、この商品が４．３Ｋというのは破格値であろう。
しかし、顔と言う繊細な場所に対するフィット感は、割とシビアなので、決して多い数にはならないだろう。
とりあえず、買ってしまったからには、一カ月ほど使い続けてみようと思う。

*1:一方で、温感機能は１５分やっても後半まで十分な熱が出ない感じがまた、調整がたらーん！と不満になる