gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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宇佐美圭司壁画処分問題 - Togetter

この話は、「東大と言う日本の最高学府に集う、日本で最高の知性が集まって居る筈の場所で、文化財がいとも容易く廃棄処分されてしまった」ことに肝がある。
金と権力持ってる奴の中に、少なからず「頭は良くても教養は無い」連中が居て、それはそれで割合的にゼロに出来る訳じゃないんだけど、日本の場合、高学歴な人ほど、詰め込み・暗記教育の弊害で、「芸術家の名前は知ってる」「代表作は知ってる」…でも、それが文化作品を尊重する、と言う教養に繋がらない場合がある。
金額に換算されれば、その金額の価値を認めるのだけれど、逆に言えばそれだけなのだ。
だから、高学歴で優秀な公務員しか居ない筈の役所で、地元の芸術家から無償で寄贈された作品を、「無償だったし」と粗大ごみで処分しただの、地元の有名な研究者から寄贈された貴重な文化資料を、「無料で寄贈されたものだから」焼却処分してしまっただの、枚挙の暇が無く発生する。*1
しかし、地方の役所とかランクの低い私学とかならまあ、散文的に、「俺の持ち物ならどう処分しようと勝手だろう」という原始人(ゼントラン)が発生しても、まあ仕方ないなぁ、という擁護も出来るだろうけれど、東大で…ねぇ?
処分に至るまでに関わった人間で、誰ひとり問題視しなかった事自体に深刻な問題があると言うか。
老朽化で移設が難しかった、という話もあったが、それならそれで、修復込みで移設を受け入れる存在をきちんと募集したかが分かれ目になると思う。
食堂自体の建て替えだったんだから、傷みが急速に進行する分解をしなくても搬出できたんだし。
ただまあ、当該芸術家に興味のある人たちに、完全に廃棄された後にニュースとして聞こえて来て、ぶっ叩かれている状況では、募集した、と言われても「嘘付け」と言われるだろうけれど。

*1:結果、寄贈元から捨てるぐらいなら返せよ馬鹿野郎、と詰られるまでセット