gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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英国の革新的エンジン技術、日本車にも導入か? | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

この10数年間、徐々に厳しくなる燃費規制や排気ガス規制に適合すべく、世界のカーメーカーはエンジンを小型化し、よりクリーンで効率的な駆動系の実現を目指し、ハイブリッド・ユニットやターボチャージャーを搭載するようになっていた。
(中略)
ディーゼルの不正問題が広がる中、とある英国の会社が開発した画期的なエンジン技術は、この問題のひとつの解決手段と言えるかもしれない。
イギリスのスタートアップのテクノロジー企業、カムコン・オートは、現在のガソリン・エンジンは大幅な改良が可能だと証明している。同社のリーミングトン・スパ工場が開発したIVA(インテリジェント・バルブ・アクチュエイション)システムは、ディーゼルの低燃費と、ガソリンエンジンの高い性能、低い排気ガスを同時に提供する技術。つまり、ディーゼルとガソリンの一番美味しいところを見事に調和させているのだ。
このIVAは、7年の歳月をかけて開発され、現在ジャガー・ランドローバー社の技術提供を受けながら、プロトタイプを使って公道テストを行っている。
(中略)
同社のテクニカル・ディレクターであるロジャーによれば、可変バルブのリフトとタイミングは独立的かつ永遠に制御できると言う。つまり、20世紀から使われているエンジン・デザインの根幹であるバルブのタイミングとクランクシャフトの回転をリンクする構造を再定義するわけだ。
とすれば、IVAはどれほど革命的なのか? それは、ガラケーiPhoneほどの差なのだという。これでエンジンから最後のアナログ・システムを退場させるような思考なのだ、と。具体的には、既存のノーマル車とハイブリッド車のパワーと燃費を向上させ、CO2を20%ほど下げ、燃費を15%ほど向上させる効果があるという。
「IVAは驚くべきコントロール性能だ」とロジャーは言う。「カムシャフトを360度回転させてバルブを完全にリフトすることができるし、あるいは途中まで思うままに回転させたり、逆転させることもできる。そして、ほぼすべてのエンジンに採用することが可能だ」
ロジャーは日本のメーカーがいつIVAを採用するかは明かさなかったが、複数がテストしてみることに関心を示しているとは話してくれた。
カムコン・オートは一般道でのテストでIVAの耐久性を調査し、公道での結果を記録しようと計画しているだが、コマーシャル・ディレクターのマークは「耐久性はもうとっくに証明済み」だとし、もし、(ドイツ部品大手の)ボッシュのようなサプライアーに採用されれば、2、3年で生産を開始できると確信している。開発がさらに進むのを持ち、日本のメーカーが次世代エンジンに応用するだろうと、自信に溢れていた。
文=ピーター・ライオン

https://forbesjapan.com/articles/detail/21626

うーん。
本文があんまりにも「ふわっ」とした説明のみで、「ディーゼルの低燃費と、ガソリンエンジンの高い性能、低い排気ガスを同時に提供する技術」の意味が不明すぎる。
そもそもディーゼルの低燃費は、プラグを使わない高圧縮比による燃焼である点。
これはもちろん、燃料が軽油だから出来る、と言う燃料の最適化も含まれる。
対してガソリンは、低圧縮比でプラグによる点火を行う代わりに、比較的低圧・低温で燃焼するので有害な窒素酸化物の発生が少なく、ガソリンの持つ高いエネルギーもあってパワーも出る。
燃料からして違う2つのエンジンの「良いとこ取り」という意味が良く判らん。
やってる事は、カムシャフトとバルブを機械的な連動では無く、完全に別で制御するって事で、エンジン内の圧縮制御をより精密にできる、と言う事らしいが、エンジンの回転速度に応じた可変バルブによる最適化自体はとっくに採用されている技術であり、機械的な機構である可変バルブより精密に制御できるとしても、一気に2割のCO2削減と15%もの燃費向上が出来るとは思えない点。
何より、業界全体がEVへと向かいつつある現状で、内燃機関の改良がどの程度のインパクトになるのか、と言う疑問もある。