これ…色々と勘違いがありそう…。
一次創作の同人誌ならまだしも、二次創作の同人誌の頒布代金は「印刷の経費を一般参加者に負担していただいている」という名目があって版権元からお目こぼしいただいてるものなので、二次創作のDL販売は完全なアウトで訴えられても仕方ないから、みんな絶対したらだめだよ。冗談抜きで死ぬぞ。 https://t.co/blyVtIssCr
— 駒井 (@li4gurt) 2018年8月28日
この発言だと、紙の同人誌はアウトじゃない、と取られてしまう。
この「頒布であって儲けていないから〜」というのは、結構昔からある「ファン活動の建前論」であって、別にこれがあるから版元が何も出来無い訳じゃない。
元々、同人活動と言うのは「版元が管理しても(費用的にも労力的にも)割に合わない」という根本的な経済的理由と、「ファン活動であり、二次的に販促効果があるかもしれない」という期待と、「業界に関わる才能が発掘される原石の宝庫」という後から出てきた実利によって、お目こぼしされているのが実情。
ツイートされている内容は、「ファン活動である」という理由を補強する為に同人側がひねり出した「建前」の部分でしかない。
逆に言うなら、同人活動が版元にダメージを与えうる、と判断すれば、ウマ娘で警告されたような話とかを含めて、版元は紙の同人だろうが、ダウンロード販売だろうが、証拠を積み上げて法的措置を取る事が出来る。
そうなったときに、「建前の有無」が、法廷論争におけるカードになったりするが、それ以上の意味は無い。
ただ、無邪気に日本の法曹の無謬性を信じて版元無敵説を採っている人には理解できない話なんだけど、「厳密に同人誌の違法性」を問う為には、個別に裁判する必要があって、被告側である同人作家が有能な弁護士を立てて、徹底的に戦おうと思えば、作中に「これはxxの二次創作です」と明言して居ない限り、限りなく黒に近いグレーで引き分けに出来てしまう可能性は、結構ある。
何故かと言うと、「原告側が二次創作を二次創作である、と証明しなければならない」からだ。*1
その際に、同人側が用意している「建前」を突破するのは、色々と面倒なので、そうした「建前」を何枚も用意する事で、初期の同人活動は身を守っていたのだ。
しかし、後から出てきた実利もあって、同人活動が大々的に、そしてどんどん大胆に活動する連中が増えて、そうした「古くて面倒くさい建前」が省かれて行き、キーホルダーなどのグッズ販売とか、同人誌の書店委託だとか、ついにはDL販売と言う、堂々たる営利行為が横行しているのが現在。
ぶっちゃけ、DL販売なんて、一般書籍のDL販売と「何も変わらない領域」に居る*2訳で、版元が目障りに感じて、業界で一斉に「一切禁止」と言い出したら、簡単に終わる世界でもある。*3
そういった意味で、ヤバイ、というのは事実だ。