gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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無重力で「完璧な焙煎」コーヒー豆を宇宙から落とす計画:朝日新聞デジタル

無重力で「完璧な焙煎」コーヒー豆を宇宙から落とす計画:朝日新聞デジタル

コーヒー豆を宇宙から落下させ、大気圏再突入時の高熱で焙煎(ばいせん)する――。こんな突拍子もない計画を、米国のベンチャー企業が進めている。早ければ来年にも実現するというが、果たしてお味は?
計画しているのは、2017年に起業した「Space(スペース) Roasters(ロースターズ)社」。サイトによると、有機栽培したコーヒー豆約300キロを、独自の「宇宙焙煎カプセル」に入れてロケットで打ち上げ、高度200キロで切り離して大気圏に再突入させる。その際、空気が急激に圧縮されてカプセルは数千度の超高温にさらされる。カプセル内の温度は200度に保たれ、この熱で焙煎するという。
創業者のハテム・アルカフジCEOらは、この方法の利点について「地上では豆が焙煎機の熱い表面に接して焦げるが、無重力なら豆に均等に熱が与えられ、『完璧な焙煎』が実現できる」と専門雑誌のインタビューで説明している。
2020年の打ち上げをめざしており、最初の「宇宙コーヒー」はドバイで提供される予定。1杯の価格については明かされていない。ハテム氏は「コーヒー豆は何百年間も同じ方法で焙煎されてきた。宇宙を使って革命を起こす時が来た」としている。(石倉徹也)

https://www.asahi.com/articles/ASM1044BBM10ULBJ00C.html

正に馬鹿文系の所業。
コーヒー豆自体が不均一な大きさ、非対称な形状を持つ以上、外部加熱がどれだけ均一だろうが、豆自体に対する熱の入り方は不均一になる。
ついでに言うなら、大気圏に突入している時点で、無重力状態じゃない。
俺は大気圏突入時の熱で焙煎したコーヒーが飲みたいんだよ、浪漫だろ?」と、言われたなら完璧に納得するんだけど、「無重力なら豆に均等に熱が与えられ、『完璧な焙煎』が実現できる」なんて妄言を言うから、一気に馬鹿文系臭くなる。
そもそも、「豆が焙煎機の熱い表面に接して焦げる」のが気に入らないなら、既存の焙煎機を使わない焙煎機の開発からスタートするのが筋だろう。
少なくとも、「カプセルは数千度の超高温にさらされる。カプセル内の温度は200度に保たれ、この熱で焙煎する」というこの工程だけを再現する実証試験機なら、地上でも出来そうなんだけど。
ちなみに、理系馬鹿(褒め言葉)のJAXAでは「大気圏再突入時のエアロダイナミックヒーティングによる甘藷調理の最適条件の探索」という特別公開イベント向けの実証実験(オーブンで芋を焼く)が去年9月に行われていたらしい。
どちらが「粋」かは、言うまでもないだろう。