gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中国初の民間ロケット打ち上げ成功 宇宙開発を強化 - 産経ニュース

中国初の民間ロケット打ち上げ成功 宇宙開発を強化 - 産経ニュース

新華社電によると、中国の民間企業によるロケット打ち上げが25日、初めて成功した。搭載した2基の人工衛星を軌道に乗せたという。中国は今後、軍から民間企業までを含む国を挙げた体制で、宇宙開発を進める方針だ。
北京の民間企業が中国内陸部から打ち上げた。この企業の幹部は「民営企業の参入によりロケットの研究開発の効率が上がり、コストは下がる」との考えを示した。
中国は軍と民間企業の技術を幅広い分野で連携させる「軍民融合」戦略を掲げている。(共同)

https://www.sankei.com/economy/news/190726/ecn1907260007-n1.html

アメリカが、国際条約上、「民間企業による私有」なら可能な「月」を視野に入れて、民間宇宙企業を多数設立した訳だが、アメリカの場合、ロシアと違って兵器用ロケットをミサイル、宇宙用ロケットは宇宙用ロケットとして、効率の悪い宇宙開発を推し進め、スペースシャトルと言う「足踏み」までやりつつ半世紀以上に及ぶ、先端航空宇宙産業で大量に育成した人材が、官民問わずに数万人規模で存在しているので、ほとんど純粋な民間企業が、NASAの協力こそあれど、基本的には独自にロケットを設計・製造している。
スペースXの再利用型ロケットとか、ストラトローンチの巨大双胴ジャンボによる空中発射システムなど、NASAでは研究どまりだったプランを実現しているのが、民間らしい活力を感じさせるものである。*1
対して、宇宙開発イコール軍事・国家事業である中国・ロシアといった、ロケットとミサイルに区別なく、効率よく国策企業による製造開発をしていた国の場合、技術者の囲い込みが強く、民間に高度な宇宙技術を持った人材が転がっている、何てことはあり得ない*2訳で、しかも、設立からたった3年未満で、民間宇宙ベンチャーでは世界最大規模の4段ロケットを打ち上げるなど、常識的に考えて、あり得ない話だ。*3
手探りでスタートした、ホリエモンロケットの様に、最初は失敗続きだというなら分かるのだが、最初から成功・成功の連続と言う時点からも察する事が出来るように、ファーウェイと同じく、中国共産党の肝煎りで、中国の国策企業であり、中身は軍でロケットや弾道ミサイルを開発している連中がやっているんでも無ければ、不可能な現実である。
間違いなく、アメリカの月に対する領土欲を「後追い」する為の、カバーだと思う。
まあ、カバーとは言え、潤沢な予算で宇宙開発している、と言う点は、羨ましくはあるのだが。

*1:ストラトローンチは、創業者兼スポンサーのポール・アレン氏が死亡した為、事業中断が噂されている。これまた、民間ならではの現実だろう

*2:日本の宇宙開発はさらに歪で、文科省と科学技術省で別々の宇宙研究機関を持ち、軍事用の宇宙開発は公的に禁止。アメリカより効率の悪い開発体制だった。後にJAXAに集約されたものの、軍事研究は相変わらず禁止で、防衛予算を使った宇宙開発と言うもの自体が無かった。ただ両宇宙研究機関の下請けとして製造担当していた民間企業である三菱重工やIHIなどにロケット技術が集約されており、民間企業を介して防衛相の装備開発に転用され、高い性能を生み出している。その意味で、日本はとっくに「民間企業による宇宙開発が可能」な下地はあったりする。問題は、予算も市場も無く、儲からないから手を出さないだけで。せめて政府発注の衛星ぐらいは、海外入札ではなく、固定で国内に任せるとかすれば良いのに、予算削減の絡みで、海外企業を含めた入札が必須になってるから、余計に国産ロケットの出番が無くなり、数が出ないから安くならず、技術も伸び悩む、と言う悪循環に陥っている。日本の技術開発や経済発展を阻害する政策ばかり推進する財務省って、存在価値がまじわかんねー。大蔵省という千年以上の歴史がある呼称をはく奪されても、微塵も反省してないんだろうなぁ…

*3:スペースXですら、最初のファルコン1を打ち上げたのは、設立から4年目であり、2段式かつペイロードは僅か630kgだった