gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「Winnyを使わないで」安倍官房長官が国民に呼びかけ

「情報漏洩を防ぐ最も確実な対策は、PCでWinnyを使わないことです」――。安倍官房長官が国民に呼びかけ
というニュース。言っている内容は、
「車で事故を起こさない最も確実な対策は、車を使わないことです」とか
「麻薬で破滅しない最も確実な対策は、麻薬を使わないことです」とか
「人類による戦争を無くす最も確実な対策は、人類が絶滅することです」
とかと同レベルの当たり前かつ、頭の悪い意見だ。
そして、至極当たり前の事を言ってるのだが、賄賂を貰わないとか、権力を私用しちゃいけないとか、当たり前のことを当たり前のようにできない官僚とか政治家に言われても説得力が無いとか思ってしまうのは、ひねくれ過ぎというものであろうか。
余談はさておき、コンピュータウイルス対策は、詐欺に対する予防と一緒で「正しい知識を持つこと」が最も正しい予防策である。
例えば、流出騒ぎの元になっている「キンタマ」というウイルスは、Winny を利用していなければ無害である。
しかし、Winny や Share と言った、ファイル共有ソフトを利用しなくても、最近流行した「山田オルタナティブ」は感染すれば全世界にHDDを公開してしまう。
どちらも実行ファイル形式のウイルスなので、拡張子をきちんと表示し、Windowsの自動実行系の機能は止め、得体の知れない実行ファイルは実行しない。
という、ごくごく基本的なウイルス対策を取るだけで、感染する確率は、ほとんど無くなる。*1
こうした、正しい情報を提示せず、臭い物には蓋方式で理由も明らかにせず「止めろ」と呼びかけても、被害は止まらないだろう。
そして、ごくごく当たり前の
「私物のPCに機密データ入れるな」とか
「会社のPCに、勝手に業務外のツールをインスコすんな」
という基本的社会ルールが守られていない時点で、違法性のあるファイル共有ソフトを使うな、と言う根本的ではない原因を抑制しても、別な形で流出は続いて行く。
小手先の、「何故」という視点を欠いた対策では、失敗は経験として還元されず、同じような失敗を繰り返すだろう。

追記:元自衛官のブログから、自衛隊では予算不足から隊員の持ち出しで仕事をする伝統がガッチリ根を張っているらしい事が判った。
つまり、機密情報を当然のように私物のPCに入れて仕事をするのが当然という環境なのだ。
笑ってしまうほど杜撰な機密管理。
上に挙げた「会社のPCに、勝手に業務外のツールをインスコすんな」という話は、私物のPCで仕事をしている人に徹底するのは、困難である。
こんな状況で、「winny使うな」とだけ言っても、全く抑止力にならない。
予算をつけて、7万台ものPCをあわてて導入する事にしたらしいが、泥縄の極地である。
そして、このような杜撰な運用は、氷山の一角なのだろう。
おまけに、朝鮮総連が三菱経由で機密情報を北朝鮮に流していたことが発覚したそうな。
スパイ組織に税制優遇までしているなんてアホな国、日本だけだろうなぁ…。

*1:ただし、Windowsのバグを利用した自動実行が行われる可能性は常に存在する。コレに関しては、セキュリティホールを探す魔法使いと、塞ぐマイクロソフトのいたちごっこで、Windows Updateをきちんと行って、最新のパッチを当てるという消極的防衛手段しかありえない