gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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asahi.com(朝日新聞社):出荷先公表、業者ら「我々も被害者」「役人名の公表を」 - 社会

汚染された事故米の転用問題で、農林水産省は16日、三笠フーズの出荷分を扱っていたことが分かったとして、菓子製造や酒造会社、福祉・医療施設など24都府県の375カ所の実名を公表した。「我々も被害者」「不正を見抜けぬ役人名こそ公表を」――。対象となった業者からは、「寝耳に水」の知らせに怒りと困惑の声が相次いだ。
兵庫県姫路市の老舗(しにせ)和菓子店「白鷺(はくろ)陣屋」では納入業者から11日に「事故米が入っている恐れがある」と連絡があり、16日は直営7店舗と取引先十数社から「塩まんじゅう」の商品回収に追われた。
井上賢社長(62)は「一番の損害はお客さんの信用だ。取り戻すのは並大抵のことではない」と話す。
名古屋市熱田神宮の参拝客らに親しまれている「きよめ餅」。事故米はこの名物の原料にも使われていた。名古屋駅売店名鉄百貨店の和菓子売り場からは、「きよめ餅総本家」の商品が「安全が確認されるまで」として一時撤去された。新谷武彦社長は「まっすぐな商売をしてきたのに、こんなことになるなんて。本当にショックだ」という。
「憤りを通り越して、何も言えない」――全国最多の66カ所の業者が事故米を扱っていたとされた宮崎県。事故米が混入したらくがん粉3トンを買っていた宮崎市内の食材卸業者は沈痛な声で話した。問題のらくがん粉は県内約60の菓子メーカーや外食業者に売却済み。この日の業者名の公表後は取引先から電話が鳴り続け、「まさかこういう形で公表されるとは。どう対応したらいいのか」と途方に暮れていた。
大阪府南部の米穀仲介業者は昨年11月、兵庫県の米穀加工会社からもち米の粉約400キロを購入して和菓子店などに販売。この中に事故米が混じっていた可能性があるという。この業者は「農政事務所には名前を公表しないという前提で、調査に協力したのに出された。元を正せば農水省がチェックを怠ったからこんな米が出回ったのだろう」と国への不満を訴えた。
菓子原料卸売業のタナカ商店(岐阜市)を営む男性(43)も、農水省が社名を公表したことに憤る。「こんな汚名を着せられたら、この商売で食べていけなくなる。うちのような零細業者ではなく、事故米を混入した業者を責めるべきではないか」
一覧表で、熊本県八代市の和菓子製造業者名の末尾に、かっこ書きで記載された種苗店は事故米とは無関係だった。農水省内部のメモで和菓子業者の所在地を示す注釈として記入されていたものが、発表資料に書き込まれていたという。報道機関からの問い合わせで誤りを知った種苗店幹部は「うちは食べ物は一切扱っていない。嫌がらせの電話もかかっており迷惑だ」と話した。農水省側はミスを認め、訂正して謝罪した。
福岡県久留米市の米穀販売業者は、商社から買った事故米を、のりの原料として三笠に販売していたが、名前を公表された。「食用として転売するような不正はこちらではわからない。名前の公表は迷惑だ」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0917/TKY200809160322.html

実際、事故米を買ってしまった企業は、完全に「被害者」だと思うが、公表は致し方が無い。
とはいえ、今回の事件は、農水省事故米を輸出元に返品せず、国内消費に回したという不始末が最大の原因であり、加えてその使途調査を事前告知して行うという、事実上のザル調査しかしていなかったという失態の積み重ねが、三笠フーズらの悪徳企業に付け入られる隙を作った訳であり、ヒラ公務員はともかく、事故米を輸入した部署の責任者と、調査担当責任者については、厳重な処分と氏名公表はしたほうが良い。
公務員だけはどんなに不始末を起こしてもお上が相手なので風評被害は無く、末端の切捨てはともかく、責任者が決して責任を取らないという現状が、公務員腐敗の元凶でもあるんだし。