産業ニュース | ボーイング、Ｆ-15サイレントイーグル初公開 : ファスニングジャーナル

米ボーイングは１８日、新たなコンフィギュレーション設計Ｆ-１５戦闘機「Ｆ-１５サイレントイーグル（Ｆ-１５ＳＥ）」を公開した。
同機は、機体のコーティングや表面処理などでステルス性能を向上しているほか、コンフォーマルタンク（ＣＦＴ：ｃｏｎｆｏｒｍａｌ ｆｕｅｌ ｔａｎｋ、密着型増加燃料タンク）を再設計して胴体内の兵器搭載を可能とした戦闘機。
ＣＦＴを胴体内兵器搭載用にする新型と、兵器を胴体外部に装着して燃料搭載量を最大化する通常型かをミッションに応じて選択することが可能で、胴体内搭載兵器としては、ＡＩＭ-９やＡＩＭ-１２０などの空対空爆弾、ＪＤＡＭ（Ｊｏｉｎｔ Ｄｉｒｅｃｔ Ａｔｔａｃｋ Ｍｕｎｉｔｉｏｎ）や小直径爆弾（ＳＤＢ：Ｓｍａｌｌ Ｄｉａｍｅｔｅｒ Ｂｏｍｂ）などの空対地ミサイルが含まれる。現行Ｆ-１５戦闘機で使用されている標準的兵器の搭載は、従来型のＣＦＴで可能。
同機の垂直尾翼は斜度をつけており、空力効率の向上や揚力の付加、機体重量の低減に貢献。信頼性を向上し機体重量を低減するデジタル・フライト・コントロール・システムの搭載でさらなる空力性能の改善も図っている。
また、サイレントイーグルはＢＡＥシステムズのデジタル電子戦システム（ＤＥＷＳ：Ｄｉｇｉｔａｌ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｗａｒｆａｒｅ Ｓｕｉｔｅ）、レイセオンのアドバンスト電子走査アレイ（ＡＥＳＡ：Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃａｌｌｙ Ｓｃａｎｎｅｄ Ａｒｒａｙ）レーダーを搭載、生存性も向上している。
ボーイングはこの兵器の胴体内搭載を可能とする新型ＣＦＴコンセプトのプロトタイプの設計を既に完了しており、実際のミサイル発射を含めたフライトテストを２０１０年第１四半期までに実施する予定。
なお、この胴体内部搭載システムのデザイン、開発、テストは、海外の航空宇宙企業各社とのパートナーシップの基で実施している。

http://www.nejinews.co.jp/news/business/archive/eid1931.html

日本語のニュースになったけれど、既に既出の情報しか無いな。
しかし、どう考えても駄作機だろう、コレ。
「Ｆ３５の輸出モデルに匹敵するステルス性能」という謳い文句が一人歩きしているようだが「あくまで正面ＲＳＣ」に限っての話で、更に言えば劣化性能の「輸出モデル」と比較して、という話はどっかで置いてきぼりになっているような気がする。
更に、ステルス機能を有効にしたければ、爆撃機としての使い道はほぼ諦めるしかなく、かといって戦闘機としては搭載できるミサイル数が少なすぎる。*1
現在、最新鋭機のほとんどは、コンフォーマルタンクがオプションとして使えるようになっており、Ｆ１５Ｅのように標準的に搭載する例もある。
これは、現代空戦においては、コンフォーマルタンク搭載に拠る空戦能力の低下より、燃料を少しでも多く積んで航続距離を伸ばす事が求められている事を意味しており、コンフォーマルタンクをウェポンベイにしてしまったＦ１５ＳＥは完全に逆行している。
そして、そうまでして得たステルス能力は、別に万能無敵の能力と言うわけではない。
現在唯一の実用ステルス戦闘機であるＦ２２が強いのは、高いステルス能力に加えて、Ｆ１５以上の空中戦闘力、最新鋭の長射程・高機動の空対空ミサイル、全消費電力の９割を使用すると言われる強力な索敵能力に加え、高度なデータリンクによる戦術情報の共有、という様々な優位性を積み重ねた結果である。
正面からは見えないけど、横や後ろから丸見えなポンコツステルスにしょっぱい武装のＦ１５ＳＥなんて「奇襲して一撃離脱」くらいしか有効な使い道を考えられないんですけど。
韓国のように、保有機を改造できる。コンフォーマルタンクを標準のものにすれば、従来どおりの運用も出来るというならともかく、新規購入でコレというのはありえない。
しかも、お得意の輸出規制で肝心なソフトは売らない可能性もあるとか、舐めてんのかと。
これを買うくらいなら、アメリカ枠でＦ３５Ａを買った方がマシ。(輸出モデルじゃないから)
そして、未だ完成の目処が立たないＦ３５を買うくらいなら、タイフーンを買った方がマシ。
日本の場合、独自開発したミサイルに対応させる為の改造も必要だし、さっさとタイフーン買って、魔改造した方が楽しいと思うんだけど。
…どうせ、もう中国の侵攻に間に合わないんだから。

*1:見た限り、ウェポンベイは４箇所で各１づつしか兵器を搭載出来そうにない。Ｆ２２はＡＩＭ１２０Ａを４発にＡＩＭ１２０Ｃを６発の計１０発搭載できる