gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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性犯罪被害者名も裁判員候補に開示、情報流出懸念の声 : 週間ニュース : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

21日に始まる裁判員制度で、強盗強姦など制度の対象となる性犯罪事件を巡り、裁判所が被害者保護と裁判員選任手続きの両立に頭を悩ませている。裁判員は事件と無関係でなければならず、数十人から約100人の候補者に被害者の氏名などを伝えることになる。選任されなかったほとんどの人は、裁判員法が定める守秘義務を負う必要がない。被害の経験者からは「制度が始まると、ますます被害を訴えにくくなる」との声も上がっている。
性犯罪のうち裁判員制度対象の重大事件は強姦致死傷、強盗強姦、強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷事件。2008年の全国の対象事件2324件のうち約2割を占める。
被害者のほとんどが、被害を他人に知られたくないと強く願っている。そこで刑事訴訟法は被害者の申し出があれば、氏名や住所などを法廷で伏せるよう定めている。
ところが裁判員の選任手続きでは、候補者に事件との関係の有無を確認する。そのため被害者の氏名や事件の概要を知らせることは避けられないという。また、裁判員に課せられる守秘義務も候補者には及ばず、情報を他人に教えても罰せられることはない。
最高裁も「情報流出による二次被害の恐れが考えられる」と懸念するが、対策の指針は示さない予定で、最終的には各地裁で対応を判断することになりそうだという。
全国の都道府県の中でも性犯罪の発生率が高い福岡県。福岡地裁が08年に受理した裁判員制度対象の性犯罪事件は30件で、全体(156件)の19・2%だ。同地裁の関係者は、被害者情報が流出した場合「候補者に対し、被害者が損害賠償を請求するという手段は考えられる」と話す。
一方で「忙しい中、選任手続きに来た人たちに『情報を外部に明かせば訴えられる』なんて言うのは失礼かもしれない。最終的には誠心誠意お願いするしかない」と苦しい胸の内を明かす。
性犯罪の被害に遭った体験を昨年本にした東京都の小林美佳さん(33)は「被害を届け出ない女性は今でも多いのに、対策もないまま制度が始まるなんて」と憤る。
性犯罪のうち、被害者がけがを負ったりPTSD(心的外傷後ストレス障害)などにかかったりする「致傷」事件になると、裁判員裁判の対象になる。「そうなることを嫌がる被害者が、心や体の傷を負っても申告しない事態が起きる恐れもある。重罰を求める気持ちが強くても、かなわなくなる」と小林さんは心配する。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090506-OYS1T00229.htm

むう、これは難しい問題だ。
が、裁判員に秘匿を宣誓させたところで守秘義務がなく、実効力に疑問があるならば、被害者氏名は可能な限り伏せ、裁判でも顔出しはNGにする。で構わないんじゃないかと。
「候補者に事件との関係の有無を確認する。そのため被害者の氏名や事件の概要を知らせることは避けられない」とあるが、事件の概要だけ語り、心当たりがあるかないかを聞けばいいんじゃないかと思う。
「あなたは(事件が発生した年月)頃、(事件の発生した地域)付近に居住または行った事がありますか?」
「あなたは(事件の概要)という事件について、類似または該当事件に心当たりがありますか?」
の2つを聞くだけで、関係ありそうな人はほとんど居なくなるだろうし、事件の概要だけで被害者を特定するのは、警察か探偵並の行動力が無ければ難しいだろう。(むしろそれだけの実行力があれば、隠すほうが難しい)
なんというか、司法関係者が「問題を挙げる事で面倒な裁判員制度を潰そう」としているように見える。
今の司法制度はそんなに完璧なのかっつーの?
完璧に程遠いから裁判員制度なんて案が出てきているんだろうに。