gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ドル抜き決済へ財務相会談 ブラジル、中国に提案 - MSN産経ニュース

21日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーなどによると、ブラジルのルラ大統領は、中国の胡錦濤国家主席に対し、両国間の貿易決済を米ドルを介さず行えるよう協議するため、両国財務相中央銀行総裁の会談を年内に開くことを提案したと明らかにした。
ブラジルにとって、中国は4月に米国を抜き最大の貿易相手となった。ルラ大統領は「ドルに頼らず決済を行うことは非常に重要だ」と述べ、ブラジルの通貨レアルと人民元で直接行う決済の必要性を強調した。
大統領は、すでにアルゼンチンとの貿易決済で両国通貨の使用を開始していることを例に挙げ、こうした決済を中南米全体に広げたいとの考えも示した。
ルラ大統領は19日に胡主席らと会談した。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090521/fnc0905211222007-n1.htm

うーん。
この額面どおりの話だとすれば、中国にとって「国際的信用が無い」ブラジルの通貨(レアル)と、自国通貨(元)を直接決済できるようになると、ブラジルとの輸出入が活発になる反面、ブラジルとの直接貿易にしか使えないレアルを手元にある程度準備しておく必要が出来る。
もし不安定なレアルが暴落すれば大損する可能性がある。(しかもブラジルは対中赤字なので、中国にはレアルが貯まっていく事になるから。時間経過と共にリスクは増大していく。ブラジルは貿易赤字だが、ドル決済の手間が省ける分助かるし、中国に物を売りやすくなるので、メリットが大きい)
つまり、ハイリスク・ハイリターンな話で、そのままだと中国としては旨味が少ない。
しかし、一方で圧倒的経済格差のある国同士で、直接決済が可能になると、「経済侵略がしやすくなる」というメリットもまた存在する。
もし、ブラジルが中国同様「最終的に債務は武力で踏み倒そう」と考えている場合、その経済侵略も失敗する可能性はあるが、その場合「大義名分」を持って武力でやり返す事もできる。
更に、この動きが広がれば、中国は「アジアの基軸通貨」としての立場に一歩前進する。
…でもね、忘れちゃいけない。
「元」も立派な「(信用の無い)不安定通貨」なんです。