gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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総合/コスト減 国産ウランに道 原子力機構、海から捕集 - FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE

日本原子力研究開発機構は、原子力発電の燃料であるウランを海水中から取り出す実証実験を進めてきた結果、最大の課題であるコストを、ウランの実勢価格の3倍弱にまで低減できたことを明らかにした。同機構では海水中からのウラン捕集コストの低減努力をさらに重ねて、2017年にコスト的に見合うウラン採掘を実現したい考えだ。現在、日本では年間8000トンのウラン需要があるが、全量を海外に依存している。この技術が実現すれば“国産ウラン”の生産に道を開くことになる。
日本原子力研究開発機構沖縄県で実施したウランの回収実験
ウランの海水中からの捕集は、1964年に英国の研究所が研究に乗り出すなど、技術的には長い歴史がある。ただ、捕集ができてもコストがかかり過ぎる点が最大のネックとなっていた。日本原子力研究開発機構は前身の日本原子力研究所時代の95年から本格的に研究に着手。日本では、放射線を当てることにより、ポリエチレンにさまざまな機能を付加できるグラフト重合法を応用した。
通常は布の風合いをよくしたり、有害物質の除去に使われるが、同機構ではウランを取り出す機能を付け加え、ポリエチレン製の布状のものを海水に漂わせるだけで、ウランを取り出せるようにした。
95年から始めた青森県での実験では、累計1キログラムのウランを捕集。沖縄県では捕集する材料や捕集方法など工夫をし、コスト削減にも取り組んだ。この結果、温暖な沖縄で捕集する方が効率的なことが判明したほか、ポリエチレン製の捕集材約1キロ分でウラン4グラムの回収を実現。捕集材を8回繰り返して使うことで、1キログラムのウラン回収にかかるコストを3万2000円程度にとどめることができた。
最近のウラン価格は1キログラム当たり1万3000円程度で推移しているため、3倍弱にまでコストの差を縮めた計算。ウラン価格が高騰していた2年前に比べると、コスト格差はさらに縮小する。回収コスト全体に占める捕集材の製造コストは6割と大きく、捕集材に吸着したウランを取り出すコストは全体の4%に過ぎない。このため、捕集材の改良などでコストを低減できれば、ウランの実勢価格に対抗できるレベルにまで引き下げられるとの見方をしている。
同機構では90億円の費用をかけ、来年からの5年間で100キログラムのウラン捕集を目指す実証実験を沖縄で実施する計画だ。
   ◇
 ■海水からのウラン捕集の経緯■
 1964年 英国の研究所が研究を開始
 80年代 金属鉱業事業団(現在の石油天然ガス・金属鉱物資源機構〈JOGMEC〉)が香川県で研究開始
 95年  日本原子力研究所(現在の日本原子力研究開発機構)が青森県でグラフト重合法による研究開始。累計1キログラムのウランを海から捕集
 2001年 日本原子力研究所が沖縄県で新方式で研究を開始
   09年 1キログラム3万2000円の回収コストを発表

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906230091a.nwc

原子力発電所が多数ある日本だから、ある程度の需要があるとは知っていたけれど、年間8千トンというのは少し想像していたのより多いわ…。
キロ3万2千円で「実勢価格の3倍弱」って事は、海外産のウランはトン1千万、年間8百億円くらい支払って買っているという事か。
これを国内で賄えるようになり、それどころか輸出できるようになれば、日本はいきなり希少金属の輸出国入りだな。
更に、この記事には書かれていないが、この技術は「海水中の有用希少金属」も同時に回収できるので、この技術をきちんと独占管理しないと、海に面した国が「水中資源利権」を主張し始めるのは時間の問題だな。