gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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民主党「製造業派遣禁止」へ 電機メーカー海外脱出は必至 | inside | ダイヤモンド・オンライン

6月末に、民主党社民党国民新党と組んで、労働者派遣法改正法案を衆議院に提出し、波紋が広がっている。
法案の目玉は、「(専門業務を除いた)製造業派遣の禁止」である。これまで、民主党は、派遣労働者の劣悪な労働環境に警鐘を鳴らすことはあっても、「製造業派遣の禁止」には、慎重な姿勢を取ってきた。というのも、「禁止することで失職する労働者数十万人の受け皿を用意できなかったからだ」(人材派遣会社社長)。
言うまでもなく、民主党が、その姿勢を転換したのは、迫る衆議院選挙において、両党との選挙協力を睨んでのことだ。ある電機メーカー幹部は、「法案が衆議院を通過するわけではない。非現実的だ」と言う。確かにそのとおりかもしれないが、民主党が規制強化へ動いた“事実”は非常に重い。
仮に、民主党が政権与党となって労働政策を打ち出す際に、国会提出までした法案骨子を変えることは考えにくい。いずれ、製造業派遣の禁止は現実のものとなるかもしれない。別の電機メーカー幹部は、「いつかは、くると思っていた。派遣社員に依存しない要員体制を整えなくてはならない」と気を引き締める。
2000年以降、シャープやキヤノンといった電機メーカーが、こぞって、生産拠点の“国内回帰”の方針を掲げた。だが、いくら液晶パネルやカメラが高付加価値製品であったとしても、固定費の圧縮は不可欠だ。派遣が禁止されれば、コストは上昇してしまう。
加えて、状況が悪過ぎる。自動車や電機などの輸出型製造業では、需要停滞が続くうえに、急激な円高が直撃したため、為替リスクも顕在化している。人件費上昇と為替リスク拡大が、製造業の海外移転ラッシュを加速させることは必至な情勢だ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)

http://diamond.jp/series/inside/09_07_18_002/

低コスト体制を追及するならば、派遣を使って労働力の最適化(必要に応じて即増減)をするか、移民を奴隷のように低賃金で使うか、人件費の安い国に製造を移転するしか無い。
どのパターンでも、製造におけるスペシャリストと言うものが国内に残らないという意味で、「人は石垣、人は城」という名言のある国なのに、人を安く使う事に汲々として、労働価値を上げるという思考が無いのは、日本企業の特徴と言うか。
…まあ、悪平等を善とした愚民化教育と、自らは何もせず前例を踏襲して無責任であるほど優秀と言う政治家と官僚が勝ち組な国で、実直で真面目である事以外は取り柄の無い国民に、高付加価値な仕事をしろと言うのは酷なのかもしれないけれど。(自分も駄目だし)
それに、当然ながら高付加価値な仕事(もしくは副収入を得るなど)が出来る人と出来ない人の格差が広がるので、収入格差も大きくなると思うけど。
そういう部分を欧米などは労働組合が企業と交渉する事で補完し、働いてるのに生活保護者より生活が苦しい、なんていう事態を防いでるんだけど、日本では労働組合が強いのって、昔の国鉄とか教師とか、公務員ばっかりと言うオチw
この辺りの労働者保護の意識が薄い事が、人件費抑制につながり、日本の国際競争力の高さの一因にはなっていたけれど、誰が見ても立派な先進国なんだからもっと官民のセーフティーネットが分厚くてもおかしくないのに、民間のセーフティネットは無く、何故か国の生活保護費とかの税金は大部分が日本人「には」流れていかない不思議。
個人的には、労働力の効率運用と言う点で、派遣と言うシステム自体はあってもいいと思う。
ただし、欧米型の派遣のように派遣会社のピンハネ率の上限設定し、手取りベースで派遣社員が同作業を行う正社員と同等以上の給与がもらえるように法整備と互助組合のような組織作りを行い、今の「派遣社員は低賃金で使える何時でもクビにできる奴隷」みたいな認識を改める必要があると思う。
時々、本気で勘違いしている人が居るけれど、派遣社員が企業にとって「安く使える」というのは福祉も含めたトータルコストとリスクで正社員より使い易い、と言うだけで派遣会社に支払っている賃金は正社員と同レベル以上を支払っているのが殆ど。
なのに、なんで派遣の給料が正社員より安くなるかと言えば、派遣会社がガッツリとピンハネしているからに他ならない。
結局、派遣社員を使う企業が上乗せしている金額以上に、派遣会社が搾取しているからマイナスになっているのだ。
…それで正規雇用並みの福祉が整っているならともかく、聞いた範囲ではロクな話を聞いた事が無いんだから…。