gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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NIKKEI NET(日経ネット):豪が政策金利上げ G20で危機後初、「出口戦略」焦点に

オーストラリア準備銀行(中央銀行)は6日開いた理事会で、政策金利を0.25%引き上げ、年3.25%とすることを決めた。7日実施する。豪の利上げは2008年3月以来、1年7カ月ぶり。世界的な金融危機を受け昨年9月から続けてきた金融緩和を終了する。今回の危機後の局面で、日米欧を中心とする20カ国・地域(G20)では初めての利上げとなる。
ティーブンス総裁は同日、「豪経済は最悪期を脱し、金融緩和による刺激を弱める時期に来た」とする声明を発表した。大方の市場予想は金利の据え置きだった。予想に反する利上げで先行した豪に続き、今後は世界の中央銀行でも政策を緊急対応の金融緩和路線から平時に戻す「出口戦略」の時期や手法が焦点になる見通しだ。(シドニー=高佐知宏) (14:01)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091006AT2M0601Q06102009.html

オーストラリアは地政学的な観点から見て、島国と言う規模を大きく超えた大陸国家で、その癖、主要な経済圏とは一定の距離を持っているという島国としての利点を併せ持った国な上、資源と農業の双方で「輸出国」という、ぶっちゃけ一人でも生きていける国だから、今の世界状況で、金がある中国や日本以外で、最も早く立ち直るとしたらココしか無いだろう。
オーストラリアが利上げしたから「出口戦略」なんて、昨年の世界同時不況が終息を迎えるなんて甘すぎる予測と言うべきだろう。
オーストラリアは、元が英国植民地で、しかも流刑植民地だったという過去があり、更にゴールドラッシュとか山師のような産業で経済を伸ばして来たと言う経緯から、人材に欠ける傾向がある。
未だに人種差別は激しいわ、保護政策のし過ぎで技術立国とは無縁で製造業はイマイチで、一次産業と三次産業の両極端が突出して産業のバランスが悪い。
牧歌的な生活を営むだけなら、国内生産物でやっていけるけれど、先進国らしい生活をするためには、貧弱な国内製造業の製品では満足できず、輸入しなければならないという弱点を抱えているのだ。
オーストラリアはアメリカ同様に個人消費が国内経済を回している国である。
所得が上がると個人消費が増えるのだが、それだけに景気によってインフレ圧力が大きく変動しやすく、膨大な資源輸出を背景に、ずっと3.5%という高成長率を維持してきた関係で、豪州中央銀行は、インフレ圧力が高くなると金利を上げてやり過ごしてきた経緯がある。
現在、オーストラリアでは住宅バブルが発生して、インフレ圧力が高まっているらしい。
この利上げは、オーストラリアにとってはいつもの対処なのだろうけれど、誘蛾灯というより、イカの集魚灯みたいに強烈に投機マネーを呼び寄せる可能性がある。
中国より低リスクで、日本より利回りが良いオーストラリアという市場に、投機マネーが殺到した場合、日本の1/3しか無い経済規模のオーストラリアは、空前のバブルに強制突入させられるかも…。
その場合、「豪経済は最悪期を脱し…」なんて発言を後悔する事になったりして。