gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (ファンタジア文庫)
長かった。
1998年の長編1巻で惚れ込んで、いち早く短編と四季童子のイラスト(雑誌連載分のモノクロ挿絵はほとんど単行本に収録されない)をキープする為、ドラゴンマガジンを定期購読しはじめたっけ。
ドラマガ商法(長編で人気が出ると、DMに短編を連載させて本誌売り上げを伸ばそうとする)の弊害で、長編の刊行ペースが遅れ、2004年に短編も連載停止になったり、「フルメタ完結まで他のシリーズ書きません(キリッ)」とかいいつつ、別名義でドラグネットミラージュが出たり、アニメの脚本書いてたりと、紆余曲折を経て、一時は富士見でままある「最終巻近くで無期延期、そのまま絶版(何故か作者は移籍または消息不明)」という最悪のパターンかと恐れつつも諦めず待ったおかげで、ようやく完結。
一応、発売日前なのでネタバレ感想は折りたたみ。
前巻に比べると、同じか、やや薄いくらいで拍子抜けした感はあるが、読んでみれば全編クライマックスと言うべき戦闘に次ぐ戦闘であり、絶体絶命のピンチを機知と意思で乗り越えていく様は良かったし、ソフィアに肉体を奪われたかなめを「怒り」で呼び起こすソースケとかなめの関係らしさは、この極限と言うべき状態でも二人の関係はいささかも変質も損なわれてもいないという事がよく現れているように思う。
そして、一度は非情な現実に歴史改変を受け入れそうになるかなめが、「今の」ソースケは、今しか存在し得ない事、「今の」ソースケを失う事は死別より受け入れがたいと歴史改変を拒絶する辺りは、涙が出そうになったし、その後のカリーニンの裏切りは、兵士として極限の部分で優しすぎる宗介を想っての事であった、父の不器用な愛であったことは複雑な感慨を持ったし、死を目前にして前巻で渡されたメモリースティックの中身を見て、死にたく無いと慟哭する宗介、そして一個の「人間」として目覚めるアルと、もー、見所多すぎて…。
実に素晴らしい最終巻でした。
短編集が出るらしいけど、そっちも買う。絶対買う。
…と言うわけで、半年以内くらいで出してくれないかなぁ…
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