gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「日本メーカーの担当者には会いたくない」 「嫌日ムード」スマフォの部品メーカーに蔓延 : SIerブログ

スマートフォンで巻き返し、◯△社が開発を本格化」「アップルを追撃へ」・・・。主要メディアの経済・産業ニュースで、多機能携帯電話「スマートフォン」を巡る情報が騒がしい。
全世界のスマートフォン需要が高まる中、日本メーカーの開発、あるいは販売動向に関心が高まっているのは言うまでもない。だが、スマートフォンの製造現場では、不穏な空気が漂っているのだ。
■「日本メーカーの担当者には会いたくない」
「昔からの取引先には違いないが、正直なところ日本メーカーの担当者には会いたくない」
これは某大手電子部品メーカー開発担当幹部が漏らした言葉だ。「会いたくない」という相手とは、日本の携帯端末メーカーの開発担当者のことだ。
日本の電機メーカーと部品メーカーは長年にわたって共同歩調を取ってきた良きパートナーに他ならない。なぜ、両者の間にすきま風が吹き始めたのだろうか。
その答えは、スマートフォンにある。
冒頭でも触れたように、世界市場でスマートフォンは、四半期ごとに5割近い成長を続けている。
筆者も「iPhone」ユーザーの1人だが、出先で原稿ゲラのチェックが可能になったこと、パソコンと同等にサイトチェックできることから、非常に重宝している。音楽再生や写真ファイル機能もフル活用しており、スマートフォンなしの生活はもはや考えられない。
筆者の周囲でも旧来型の携帯端末からスマートフォンに乗り換えるユーザーが急増中であり、全世界で起きているスマートフォン市場の急成長に違和感はない。
こうした動きに、日本の端末メーカーが「取り残されまい」と対応するのは当然と言えよう。需要が高まっている商品、サービスを取り込まねば、どんどん市場を奪われる一方だ。日本の端末メーカーにそんな心理が働いているのは疑いの余地がない。実際に、日本メーカーの開発を巡る情報や、販路を巡る提携などのニュースが増え、日々伝えられている。
■日本メーカーの注文に懇切丁寧に応えていては・・・
日本メーカーがスマートフォンに本腰を入れ始めている。それなのに、なぜ件の部品メーカー担当幹部は日本メーカーを敬遠するのか。
その理由は、日本メーカーの出遅れにある。
多くの読者がご存じの通り、世界市場でのスマートフォンのシェアは、アップルのiPhoneが約8割と圧倒的な存在感を持っている。その他、グーグルが開発したOS「アンドロイド」を採用した英ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズや韓国メーカー勢がアップルを追撃しようとしている。
結局、部品メーカーの本音はこうなのだ。
「日本製スマートフォンは、せいぜい年間100万台だが、世界のトッププレーヤーは月産で100万、200万台の規模。どちらに注力すべきかは、言わなくても分かるだろう・・・」
おまけに、アンドロイドという共通OSこそあれ、日本メーカーから部品会社に持ち込まれる注文は、会社ごとに規格が違ったり、日本固有の携帯サービスに対応するための細かな設計が要求されたりするなど、対応に手間がかかる。
長年の取引実績があっても、部品メーカー各社が「嫌日」姿勢を取るのには、きちんとした理由がある。「部品の注文が2ケタ少ない日本メーカーに懇切丁寧に応えていたのでは、世界規模の顧客のオーダーをこなせなくなる」(別の部品会社)というわけだ。
■「ガラ携」が「ガラスマ」になる日
2010年、筆者は当コラムで、電子書籍向け端末の国際競争力に疑問符がつく旨の原稿を書いた。この中で、既に海外市場で実績を上げているアップルの「iPad」や、これに猛迫する韓国サムスン電子の「ギャラクシー・タブ」などに比べ、日本製端末が見劣りする懸念があると触れた。
筆者はスマートフォンについても同じことが言えるのではないかと考えている。
アップル、あるいはサムスンのように、特定の製品で世界シェアの高い企業が調達に動けば、部品メーカーの受けるメリットは計り知れないほど大きい。
世界シェア上位のメーカーの注文と、20位にも入れない企業の発注。読者ならばどちらを優先するだろうか。
日々伝えられる、日系メーカーの「スマートフォン開発」に関する前向きな報道とは裏腹に、製造現場では日本メーカーを敬遠する動きが着実に広がっている。
日本の携帯電話は、独自規格や国内だけに閉じたサービスに固執するあまり、世界規格とかけ離れた「ガラパゴス携帯」となった。日本メーカーのスマートフォンが「ガラスマ」と揶揄されないためには、アップルやサムスンから本気で世界シェアを奪い取るだけの戦略と資本力が必要だ。
だが、同じ日本の部品メーカーからも敬遠されている現在、日本製スマートフォンが「ガラスマ」になってしまう公算は大きいと筆者は見る。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5331

これは、どう考えても部品メーカー側が正論なので、日本メーカーは「金も出さずに無茶を言う」という今までの下請けイジメが難しくなったという訳だ。
…全く問題ないね。