gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

「再利用可能ロケット」、米宇宙ベンチャー1月打ち上げへ 火星移住が目標 国際ニュース : AFPBB News

【9月30日 AFP】米宇宙開発ベンチャー、スペースX(SpaceX)のイーロン・マスク(Elon Musk)CEOは29日、米ワシントンD.C.(Washington, DC)のナショナル・プレスクラブ(National Press Club)で会見し、宇宙と地上を何度も往復できる世界初の再利用可能ロケットの開発に取り組んでいることを明らかにした。目標は、いつの日か火星への人類の移住に貢献することだという。
マスクCEOによると、前年スペースXが自社の宇宙船「ドラゴン(Dragon)」の打ち上げ実験に使用したロケット「ファルコン9(Falcon 9)」を、再利用できるように改良している。来年1月、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)への輸送が初打ち上げ予定という。
現在のファルコン・ロケットは、製造から打ち上げまでに500〜600万ドル(約3億8000万〜4億6000万円)、燃料関係に20万ドル(約1500万円)のコストがかかるが、大気圏再突入の際に燃え尽きてしまい、使用は一度限りだ。
マスクCEOは、ロケットを再利用できれば「打ち上げコストは100分の1程度で済むだろう」と述べ、火星など他の惑星へ旅行したり、移住することさえ現実に近づくと語った。また、再利用可能ロケットの開発をめぐっては他の宇宙開発機関も試行錯誤し、失敗しているが、「この1年間でわたしは、解決方法はある、という結論に達した。それを試すつもりだ。机上で設計し、計算し、シミュレーションもし、うまくいった」と話した。
開発中の再利用可能ロケットは、打ち上げ方は従来のロケットと変わらないが、その後に上部と下部に分かれ、柱状の下部ユニットが地球に帰還、発射時同様に直立状態でゆっくりと着陸する仕組み。発射台に帰還するために翼は必要ないという。
マスク氏は、オンライン決済サービスのペイパル(PayPal)の創業者でもあり、同社の成功で手にした巨額の資金を使って電気自動車のテスラ・モーターズ(Tesla Motors)とスペースXを立ち上げた人物。(c)AFP/Kerry Sheridan
【参考】スペースX公式サイトの再生利用ロケットの紹介動画(英語)

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2831639/7850634

CG動画を見たけれど、ものすごく胡散臭いというか。
帰還時の姿勢制御、減速と落下位置の調整に必要な燃料は「打ち上げには無駄」であり、これまた「ロケットが大型化・高額化」する要因だ。
加えて、直立状態で垂直着陸するとか。
あんなデカイロケットを垂直着陸とか、どんだけ難易度が高いんだよという。
また、打ち上げて、同じ場所に安全に戻ってくる為には、打ち上げに使った以上の推力が要ると思うんだけど、どんだけ燃料を使う気だと。
しかも、1段目だけならともかく、2段目、3段目まで。
仮に、技術面で「可能」だったとして、安全面で懸念が残る。
使用されている燃料は、トリエチルアルミニウムとトリエチルボランで、どちらも自然発火性の危険な物質である。(当然、毒性もある)
再突入時点で、燃料が半分近く残っている筈であり、事故が起きた場合、大量の燃料が地球に向けて撒き散らされる事になるのだが、その辺りはどう考えているのだろうか。
落下中に燃え尽きるからOK。と考えていそうだが…。
ついでに言えば、スペースシャトルでも問題になったが、一度使用したロケットエンジンの再利用は、あんまり「安くない」という事実。
当然だが、機械としての信頼性が確保されている状態で、新品と中古でどっちが故障しづらいかと言えば、新品のほうであり、中古を新品と同様に安全に使う為には、大量のマンパワーと資金を使って再整備する必要がある。
この辺りの整合性を、どう取っているのかが判らない。
少なくとも、コストが100分の1というのは、とても嘘っぽい。
なんというか、本当に大丈夫か?