gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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痛いニュース(ノ∀`) : 「ガンダムAGE」第2話終了後、日野晃博のTwitterにガンダムファンが凸し炎上 - ライブドアブログ

基本的に、見てない作品は評価しない主義なので、2話までの感想。
つくづく、ガンダムでやらなければ、ここまで叩かれなかっただろうに。
以下、折りたたみ。
色々と突っ込まれてはいるが、自分の場合、情報収集したAGEシステムが、AGEビルダーで対抗兵器を生み出す、と言う設定は面白いと思う。
抗体と免疫系をモチーフにした兵器体系と考えれば、その実現性とかリアルさなんかをツッコむのは野暮と言うものだろう。
ドリルビームだって、まあ良い。昔のガンヘッド(小説)なんてもっと設定が酷かった。
コロニーの中心部がすっぽり抜ける謎仕様だって、きっと脱出用と想定して「こんなこともあろうかと」と真田さんが設計時に組み込んでおいたのだろう。(そして何故か人身御供が必要な仕様も含めてw)
超テクノロジーのリアリティ(笑)に文句を言い始めたら、種のPS装甲やらニュートロンジャマーだとかのトンデモ兵器から、ミノ粉に全てを押し付けて設定づけした宇宙世紀ガンダムだって否定される余地は沢山あるのだ。
存在しない技術の話なんだから、「どうやって」を嘘で済ませるのは、SFでは当然の作法である。
ただ、幾つか気に入らない点がある。
まず、AEGシステムの設定は戦略レベルの重要度(宇宙世紀で言えばMSの発明に匹敵するレベル)にもかかわらず、主人公メカという商業的都合で扱いが矮小化されている点。
設定的に「ガンダム」が凄いのではなく、収集した情報とAGEビルダーが「設計」する武器さえあれば、他の量産機でも勝てるのだから、わざわざ情報収集をガンダム「だけ」にさせる必要なんて無い。
冒頭では、ガンダムAGEの起動テストをしていたが、本来ならAGEビルダーと情報収集機能が完成した時点で、AEGシステムは完成していたといえるのだ。(ガンダムを建造したのは単なるフリットのわがまま?)
ましてや、その開発者であるフリットパイロットとして危険な前線に立たせるなんてのは、愚の骨頂だろう。
そして、ミノフスキー粒子も無い世界なのだから、AGEシステムや開発された武器の設計データだけを配信するなんてのも、すぐに出来るはずである。
しかし、性能が実証されたにも拘らず、他のコロニーにそうした情報を配信している様子も無い。
初の勝利を得たにも拘らず、その勝因を無視して逃げ出そうとした新造艦の艦長達もそうだが、まるで、勝つ気が無いとしか思えない。
これらを作中の合理性で説明できる要素が無い。ただ「(フリットパイロットとして戦わせたい、ガンダムをオンリーワンにしたい)商業的都合ね」としか思えない。
そして、一番気に入らないのは、子供(フリット)を戦場に送り出す事を恥じない、それどころか疑問にも思わない大人達にある。(正規パイロットのラーガン相手には散々止めたのに、フリット相手にはあっさり出撃を認めたバルガスに、それを追認したヘンドリック司令とか)
お前らには大人としての矜持は無いのかと。
ガンダムシリーズは、伝統的に少年兵が主役である事が多い物語である。
しかし、軍隊と子供、というのは非常に相性が悪い。
子供が戦場に立つ、と言うのは非日常である戦場に於いても、よほど追い詰められないと許容されない「非常事態」だからだ。
宇宙世紀ガンダムに於いて、主人公が最初から正規軍人だった0080やポケ戦、08小隊という例外を除いて、少年主人公が正規軍の軍属として戦った初代(アムロ)、ZZ(ジュドー)は、共に現地徴用兵であり、状況が追い詰められての結果だし、作中で、大人達は折に触れて子供を戦場に立たせる事に苦悩する描写がある。
Z(カミーユ)、V(ウッソ)は、レジスタンスへ身を投じるという非正規軍での行動となる。こちらはレジスタンスなので軍隊としての規範が緩く、レジスタンスゆえに「使えるなら子供でも戦場に送る」という立場の大人が多かったが、やはり子供を戦場に送ることを問題視する描写はあった。
ターンA(ロラン)は、年齢的には少年ながら、時代背景的に成人扱いなので、少年兵とは言いがたい。実際、ロランが戦場に立つことを年齢を理由に否定する発言は無かったように思う。(こっちは記憶がちと怪しい)
アナザーガンダムシリーズに於いても、Gは成人。Xは子供でも自立生活していたので一人前扱い、種死は正規軍人という例外はあるが、W、OOはテロリスト、種は初代と同じ現地徴用兵だった。
この中で、初代オマージュの種は横に置いて、少年兵と言えるWのヒイロやOOのセツナは、現実の少年兵問題にある、「戦争しか知らない子供」として描かれており、その存在自体に疑問や問題が提示されている。
ここまで列挙すればわかるとおり、ガンダムに於いて少年兵の主人公とは、本来なら守るべき子供達を、戦場に送り出さざるを得ない大人たちの、ふがいなさ、無力感を体現しているのだ。
しかし、AGEのフリットは、天才ではあるけれど自立はしておらず、周囲の大人たちも「まだ子供」と口にはするけれど、実際には戦場へ送り出すことに全く躊躇いが無い。
ゲーム版のダンボール戦機でもあった事なのだが、子供を主役にするために、大人を無責任にして、戦いに送り出して恥じない、と言うのが、このシリーズ構成者、日野晃博というクリエイターの作風のように思う。
…もうねー、本当にこれがガンダムでは無ければ、こんなに非難されなかった。
むしろ、子供向けで面白い作品と評価されたんじゃないかと思う。
せめて、フリットがもっと精神的にも自立し、立場的にも一人前扱いされているんなら、まだ良かった。
ガンダムらしさ、と言う点では、種死も酷かったが、AGEは完全に別物だと思う。
Gガンダムの系譜と言うか、「ガンダムでやる必要なかったんじゃね?」作品というか。
最終的に、「あれはガンダムじゃない、Gガンダムだ」と受け入れられたGのように、ガンダムAGEも、そういう作品として受け入れられると、まあ成功だったと言えるのではないかと。
個人的な意見を言うなら、成功するのだろう。と思う。
同じ手法で売り出している、イナズマイレブンダンボール戦機は売れたのだから。
ただ、自分がダンボール戦機をさっさと売り払ったように、AGEを楽しめない可能性は、非常に高いとも思う。
…自分は、割とストライクゾーンが広いのだけれど、子供向けだと思って、なにやらカッコいい台詞で瞬間・瞬間だけ盛り上げて、ノリで物語を動かし、前後の整合性を取らない、最後はとって付けたハッピーED(ただし、発生しただろう不快な・悲しい現実はバッサリ描かない)、みたいな作風は虫酸が走るほど嫌いなので。(少なくともダンボール戦機がそうだった。イナズマは知らん)
3話で化けると良いですねぇ…。