gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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日本メディア:1月11日が好きな中国軍、今年は「空母キラー」の実験か?_中国網_日本語

人民解放軍は新年初めに重要兵器の実験をよく行う。マサチューセッツ工科大学で海軍を分析するオーウェン・カート氏は「中国は1月11日に行動するのが好きだ」と述べた。1日付で日本の英字誌ザ・ディプロマットの電子版が報じた。
中国は2007年、2010年、2011年の1月11日にそれぞれ新型兵器の実験を行っている。そのため西側の専門家は、中国が2012年1月11日に重要兵器の実験を行う可能性を示唆している。
多くの中国人は旧暦のめでたい日に結婚式など重要な行事を行うが、政府機関は西暦から公式活動の日程を選んでいる。中国語では1月11日は「1-1-1」で、幸運を代表する数字とされている。
カート氏は「毎年この日に人民解放軍は興味深い事をする」と語る。07年1月11日、中国軍は最も基本的な対衛星攻撃兵器(ASAT)を発射し、人工衛星を破壊。人民解放軍が米国の宇宙開発を抑える力があることを証明した。2010年1月11日、人民解放軍は別のASATを実験。2011年1月11日には中国初のステルス戦闘機の原型機「J20」が公開された。
今年1月11日、人民解放軍はまた何か驚くべき行動を起こすのか?カート氏は、「2012年にずっと期待されている対艦弾道ミサイルの実験が行われるのではないか」と予測する。それは「空母キラー」と呼ばれる中国の中距離対艦弾道ミサイル「東風21D(DF-21D)」のことで、主に水上艦、特に米空母の破壊用に開発された。長年開発が進められているが、まだ実際の実験を行ったことがない。ただ同ミサイルが人工衛星無人機を使って敵の位置を確認するのは明らかだ。
DF-21Dの実験が成功すれば、人民解放軍の近代的な軍事力を示し、西太平洋地域において重要な影響力を発揮したい中国の考えを表明することになる。
当然こうした現象は縁起を担いでいるわけではない。人民解放軍が今年の1月11日に重要兵器の実験をしようとしまいと、中国の発展は今後も続くだろう。

http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2012-01/04/content_24321586.htm

まず、記事中の写真がおかしい。
「資料写真:空母キラーと呼ばれる「DF-21D」」と紹介されている写真が、どう見ても
参考:DF-21 (ミサイル) - Wikipedia
の系譜には見えない点。
そもそも、弾道弾ってのは、あんなにちっさく無いし、ばんばん試射出来るほど安価でもない。(一発ン億単位。下手すると戦闘機が買える価格)
そして、一番笑えるのが次の
「空母キラーと呼ばれる「DF-21D」が米空母を攻撃する想像図」
一発ン億単位の弾道弾を雨の様にバラ撒くなんて贅沢な攻撃とか…。
対艦ミサイルなら、撃たれれば100発100中なんで、全部迎撃する必要があるが、速度と熱の問題でまともな最終誘導が出来ない通常弾頭の弾道弾の場合、ほぼ艦砲射撃と一緒である。
まず、着弾までの時間から想定されるも空母の未来位置に対して射撃する必要がある。
当然だが、予測は複数あるだろうし、それだけ余計に発射する必要がある。(空母は巨体ゆえに鈍足、とのイメージがあるが実は最高速度は30ノット以上出るのが普通。発射兆候を掴んでから着弾までの10分間で4〜5kmくらい余裕で移動できる)
次に、平均誤差半径(CEP)を持ち、空母をその範囲に収める必要がある。
つまり、未来の予測位置1箇所に対して、複数の対艦弾道ミサイルを撃ち込む必要があるのだ。
仮に、未来予測位置を5箇所、そして全長200mの空母に対してCEPが300〜400mのDF-21なら最低2発、命中を期待したいなら4〜6発は撃ち込む必要がある。
中国第二砲兵が一回の砲撃…もとい、対空母攻撃に10〜30発もの対艦弾道ミサイルをぶっ放しても、MD装備のイージス艦で周囲を固めた米空母は「自分に当たりそうな弾道弾」だけを迎撃すれば良いので、かなりの余裕を持った迎撃が可能だろう。
超高価な弾道弾の無駄遣いとしか言いようが無い。
個人的に、中国の「対艦弾道ミサイル」は、一種のブラフで、性能の秘匿こそが肝要であり、まともな発射試験なんて行われないと思う。
となれば、今回お目見えする、中国のびっくりドッキリメカは…新型戦車じゃない?