gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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世界が欲しがる「万物に神宿る」国の防衛装備品 JBpress(日本ビジネスプレス)

(前略)
■東南アジアからの引き合いが多い日本の防衛装備品
何もいきなり戦車や大砲を外国に売ろうなどということではない。ニーズのある各種部品や、輸送機などの汎用性の高いものから始めるのだ。スペックの変更や保全の問題で壁は高いが、将来的には艦艇や潜水艦といった装備品についても検討の余地があった方がいい。
これらの装備については東南アジア諸国からの引き合いが多いと聞く。インドネシアやタイ、ベトナムなどといった中国の海洋進出に備える必要に迫られている国々にとって、日本の高性能な装備品のニーズは高いのだ。
こうした国々に対し、何らかの形で日本の防衛装備品技術が整備等も含め生かされるようになれば、アジア地域の平和貢献策となるだろう。企業から国が買い取りODAとして供与すれば、外交力の一翼となる。
すでに海上保安庁はマラッカ海域でのキャパシティビルディングを行っており、また現在、新明和工業海上自衛隊で使っている救難飛行艇「US-2」の民間転用・輸出に向け諸手続きを進めているが、個別の努力に任せるのではなく、国のプロジェクトとして取り組むべきだ。
また、元々は日本が国産したものでなくても、ライセンス国産をして高い稼働率を維持しているものも多い。
すでに製造が終わってしまった航空機などで、日本と同じ装備を買った国々では部品枯渇で悩む所が少なくないといい、そうした国々にとっては日本の古い装備品を長持ちさせている整備能力や、自力で製造した部品が喉から手が出るほど欲しいのである。
こうしたラ国(ライセンス生産した国産品のこと)部品の輸出を可能にすることは購入国との関係構築、そして国内産業活性化にもなり得ることからも、現法制下で可能な範囲の検討を進めるべきであろう。さらに武器輸出三原則を本来のあるべき姿に整える作業も進めることは言うまでもない。
(後略)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36629

小国には小国のドクトリンがあり、装備は応じて調達される。
日本の装備は、少数精鋭・量より質というドクトリンで開発・生産さており、良くも悪くも高性能・少数生産・高額という、中小国が取り得るドクトリンとは真逆の性質を持っている。
ODAやFMS(対外有償軍事援助)で供与したとしても、韓国が借金のカタに貰い受けたロシア兵器のように、維持できずにスクラップになるのが関の山であろう。
加えて、軍事装備と言うものは、対立の可能性がある近隣諸国には売却せず、利害関係の無い遠い国か、強固な同盟国にしか売らないのが基本であり、アジアに日本製の装備を売りまくる、と言うのは現時点では下策としか言いようが無い。*1
モンキーモデルの開発だってタダじゃないのだ。
トドメは、日本の兵器を購入・維持できるような国々は、自前で兵器開発能力を保有しており、日本の装備は「実戦証明」が無い上に、アメリカのように、山のように経験値がある訳でもなく、積み上げた信頼が無いから、カタログ上の性能がどんなに優れていたとしても、一段低く見られるし、そもそもカタログスペックで見ても、飛びぬけて優れていると言う程でも無い。
仮に日本政府がケツ持ちして、輸出しようとしても「完成品としては」売れないと思う。
逆に言えば、日本の部分的に優れている部品や素材を欲しがるニーズは確実にあると思うので、開発体制の国際化に道を拓く意味でも、兵器輸出(自主)規制の緩和は必要だと思うけど。

*1:ロシアや欧州のように輸出専用の兵器を開発しているならともかく