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F35A戦闘機の韓国引き渡し時期 遅れる可能性 Chosun Online | 朝鮮日報

【ソウル聯合ニュース】韓国の次期戦闘機事業(FX第3次事業)の有力機種と見られているF35Aの最初の戦闘機引き渡し時期が遅れる可能性が出てきた。開発メーカー、米ロッキードマーチンが示唆した。同機は2016年末の引き渡しを予定している。
韓国防衛事業庁と空軍は同事業への参加企業に対し、初回の生産分を16年末までに引き渡すよう伝えた状態だ。
ロッキードマーチンのハワード韓国事業担当取締役は22日、聯合ニュースの取材に対し引き渡し時期が遅れる可能性について「F35は政府レベルの契約であるため政府間の対話が必要だ。われわれはいつ(政府間)決定が下されるのか、いつ合意に至るのか見守っている」と話した。
また現在事業の進行手続き上、遅れている部分があると明かした。
これは昨年10月末に予定されていた同事業の機種選定が今年上半期にずれ込むなど、手続きの遅れによってF35の最初の引き渡し時期が遅れる可能性に言及したものとみられる。
一部では2011年末に次期戦闘機としてF35を選定した日本にも最初の4機を2016年下半期に引き渡すことになっているため、韓国の初回生産分引き渡し時期がさらに遅れる可能性が高いという見方も提起されている。
これについて防衛事業庁関係者は、現在のところ2016年12月に初回生産分を受け取り2020年までに合計60機が納入されるという事業日程に変更はないとしている。ただ、機種選定が6カ月以上遅れる可能性があり、「引き渡し時期についてはメーカーと調整が必要になるかもしれない」と明かした。
ハワード氏はF35の開発完了時期について「現在の計画ではSDD(システム開発および性能テスト)が2016年に完了する」としている。
現在、訓練およびテスト用F35が約50機、米空軍基地に配備されテスト評価を行っている。
ハワード氏はF35、60機の導入価格が15兆ウォン(約1兆2600億円)以上だとする韓国の一部メディアの報道について「どうしてそんな費用が算出されたのか疑問だ。作り話しだ」と強く否定した。
また防衛事業庁が求めている政府保証の対外軍事販売(FMS)取引方式変更についての質問には、米政府はF35のような最上の技術が搭載された装備や武器については同盟国にFMSでのみ販売すると説明した。さらに「FMSは政府間契約のため、われわれとしても取引方式がどう変わるか予測するのは困難だ」と答えた。
同庁は米側にFMS取引方式を商業購買に変更するよう求めている。
F35Aと競合する米ボーイングのF15SEと欧州航空防衛宇宙会社(EADS)のユーロファイターは商業購買方式のため、遅延賠償金を科したり、確定価格の提示を求めることができる。だが、F35AはFMSの規定上、そのような要求ができない。
同庁関係者はFMSと商業購買が並行して推進されている同事業の公正な競争のため、確定価格の提示と遅延賠償金を要求しているとしながら、「この要求が受け入れられなければF35Aにペナルティを与えることになる」と明かした。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/22/2013012201157.html

韓国ってまだF35諦めてなかったのか。
日本と違って、急ぐ必要が無いんだから、F35が安くなってから買えばいいのに…。
大体、共同開発に多少なりとも金を出してる以上、F15SEを蹴ったら丸損だし、日本と違ってFMSで完成品購入しか出来ないF35は、F15K同様に故障したら日本に設置されるだろうF35組立・修理工場に持ち込むか、アメリカまで持って行くしか無い。
対して、F15SEなら、韓国航空宇宙産業(KAI)との共同開発なんだから、望めば韓国での組み立てライン設置くらいは飲んでもらえるだろうし、ついでにF15Kの修理も国内で可能になるだろう。*1
経済的な理由と、戦略的な理由から見ても、合理性を考えれば韓国はF15SEしか無いと思うのだが。
閑話休題
そもそも韓国には「F15SEやF35Aで60機もの戦闘機を買えるか」という予算上の問題がある。
日本が調達するF35Aは保守部品と訓練費用コミコミで42機の売却額が計100億ドル(発表当時で約8000億円、今なら9000億円か)。
これを60機に拡張した場合、単純に比例計算すると127.6億ドル。日本円にして、1兆1489億円となる。
…15兆ウォン(約1兆2600億円)って、妥当な金額じゃね?
ついでに言うと、1機1億ドルと言われるF15SEにしたって、5400億円。*2
対して、ユーロファイターは1機60億円なので、3600億円。交渉しだいでまだ下がりそう。
となれば、実は韓国的にはユーロファイターを導入するのが、お得だったりして…。
韓国って、借金のカタにロシア兵器を貰って配備しようとするとか、斜め上をかました実績があるから、アメリカが強気の価格交渉をしたら「いいもん、欧州から買うニダ」とか言っちゃいそうなんだよね。
それはそれで、面白そうではあるが。
最後に

同庁関係者はFMSと商業購買が並行して推進されている同事業の公正な競争のため、確定価格の提示と遅延賠償金を要求しているとしながら、「この要求が受け入れられなければF35Aにペナルティを与えることになる」と明かした。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/22/2013012201157.html

FMSってのは、「援助」なので、本来はF35開発に金を出してない韓国は開発参加国の後じゃないと買えないところを、アメリカが自分の購入枠を削って融通「してくれる」というお話。
なのに、「ペナルティ」とか、もう笑わせてくれるとしか言いようが無い。
韓国と同じ立場の日本がF35を最初の4機はFMSで買うのも、同じ理由。
だけど、日本の場合は、国内で一部製造と組み立てまで行う程にアメリカが譲歩したのは、次のFXでもF35を買う可能性が高く、その場合の調達数は100機前後になるだろう大口顧客であること、対中国の戦争を考えた場合、在日米軍と在韓米国に配備されるだろうF35が、遠いアメリカ本土まで戻らないと修理できないという状況より、日本で修理できたほうが圧倒的に利便性が高いという戦略的要素があるからこそで、日本に修理工場を作る以上、韓国には譲歩する必要性が微塵も無い。
無茶な値切り交渉を続けるようなら…ねぇ?

*1:これでF15KとKF16の両方を自国で修理できるようになる、割と大きいメリットだ

*2:実際には少量生産になるだろうから、価格は上がると思われる