gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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農地も農民も減少の一途、曲がり角を迎える中国の農業 -JBpress(日本ビジネスプレス)-

(前略)
中国農業部(省)の予測によれば、あと数年で中国は世界最大のコメ輸入国になると言われる。日本にコメなどの食糧を大量に輸出する余裕はない。
温家宝前首相の時代、農業生産を確保するために、農地の減少を食い止める政策を打ち出した。そして、農民の負担を軽減するために農業税が廃止された。しかし、農地の減少に歯止めがかからないうえ、農業税が廃止されても農民の負担はそれほど軽減されなかった。少なくとも都市部の住民に比べて農民の現金収入は断然少ない。また現在、農村では若者の多くが都市部へ出稼ぎに行ってしまい、高齢化の急速な進展が問題になっている。
(中略)
中国の食糧の純輸入量(輸出−輸入)の推移である。2008年までは、中国は食糧の純輸出国だったのに対して、それ以降、純輸入国に転じ、2012年の純輸入量は7748万トンに達した。食糧は増産しているのに、なぜ輸入も急増したのだろうか。
1つの可能性は、公表されている食糧生産量の統計が水増しされていることである。農業部をはじめ、農業行政の幹部にとり食糧生産量は自らの業績を証明するものである。毛沢東時代において、地方政府は中央政府に対して、単位農地あたりの生産量を実績の数十倍に膨らませて報告していた。地方政府では食糧生産量の統計を水増しする伝統がある。
(中略)
問題は、農民が農業生産に意欲を示さないことである。
なぜならば、農民が農産物を国有の食糧買付企業に売るとき、価格交渉において不利な立場に立たされているからである。中国には日本の農協のような組織は存在せず、農産物を売るときの価格交渉は単独農家と国有食糧買付企業との間で行われる。食糧買付企業は農民からの買付価格を不当に抑え、卸価格と小売価格を高く吊り上げることで大きな利ザヤを稼ぐ。
(中略)
中国が農業生産を根本的に改善するためには、農民の収入を確実に増やす必要がある。それには農業税の廃止だけでなく、農民から徴収している様々な「付加費」(例えば、道路建設費や電線敷設費)を廃止し、農民に払う農産物買付価格を引き上げる必要がある。農産物売買に関する価格交渉について農民がイニシアチブを取れるよう、日本の農協のような組織の形成を認めるべきだ。
(中略)
農民の生活が保障されなければ、食糧の安全保障は確保できない。中国社会の安定を維持するために、農民の生活レベルを底上げすることは不可欠だ。中国の農業はまさに曲がり角に差しかかっている。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38252

なんというか、中国ならではの状況と言うか。
統計の水増し、中間搾取の横行とか、中国で勃興しては滅んで言った王朝末期の典型状況やん。
閑話休題
中国の農地と農民問題に関しては、それよりも深刻な土壌・水汚染のが大問題。*1
仮に農民が大幅に減っても、機械化や大規模集約農業に転換する事で、ある程度のカバーは可能だが、作物を生み出す土壌と、育む水が汚染されてしまってる現状では、機械化や大規模集約農業は中国の農業にトドメを刺す結果しか生まない。*2
特に(汚染されていない)水不足は深刻で、都市部の90%、河川・湖水の75%が汚染されており、上水道すら50%が中国の水質基準を満たさない汚水が流れている。
土地に関しても、ここ30年ずっと汚染物質を垂れ流した結果、中国全土の地下水の汚染も深刻。
大気汚染は、言うまでも無い。
…せめて、日本のように景気が良い内に対策を始めていれば、予算もあったんだろうけど…ね。
関連:「地球上の水を一箇所に集めたら」 Σ(゚Д゚ノ)ノ なぬ! これだけ?! | DDN JAPAN

*1:特に海洋汚染は悲惨で、中国は自分で黄海を死の海にしたあとは、日本を始めとした周辺国の海域まで遠洋漁業して根こそぎ海洋資源を奪っていく為、非常に迷惑を被っている。ついでに領土侵略までしてくるから始末が悪いにも程があるし

*2:そもそも大規模集約農業は土地を破壊しやすいので、利益偏重経営は現に戒めるべき農法。目の前の利益さえ有れば後を気にしない中国人には、最も不向きな農法と言える