ＴＰＰ:１０カ国、日本に全関税撤廃要求日本は５項目拒否− 毎日ｊｐ(毎日新聞)

環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉で、米国を除くシンガポールやオーストラリアなど１０カ国が日本に対し、コメを含む農産品や工業品の関税を全て撤廃するよう要求していることが１５日、分かった。重要品目の関税撤廃までの猶予期間を示すことも求めた。これに対し、日本はコメや麦など農業重要５項目の撤廃や猶予期間の提示を拒否した。
米国も日本に全品目の関税撤廃を一時要求していたが、フロマン通商代表の判断でコメを除いた。各国が年内妥結を目指す交渉は、日本が孤立し苦しい立場に追い込まれた。（共同）

http://mainichi.jp/select/news/20131116k0000e020181000c.html

元々、ＴＰＰの理念から言えば、日本やアメリカが自分の所だけ関税を維持しつつ、他国は障壁撤廃とか言ってるのがおかしい話だし、経済規模的に、日米とそれ以外の国とで差がありすぎて、子供用プール(ＴＰＰ)にゴジラ(米)とガメラ(日)が入ろうとしてるのが異常なんだとしか。
現ＴＰＰの場合、途中からアメリカ仲良しクラブの経済圏構築という意味合いが付与されたから、アメリカがジャイアンばりに横車を押しても他の加盟国は丸呑みするしかないけれど、途中から参加する日本なんかは「席が欲しいなら俺らのルール全部飲めよ」という片利的協定になっている。
もう素直に「メリット無いからＴＰＰ止めます。別途、日米ＦＴＡ交渉します。それもダメなら今までどおりで」でええやん。
日米ＦＴＡにすればＴＰＰよりずっと譲歩の余地があるからさ。
…そもそも、米韓ＦＴＡの結果を見れば判るとおり、ＦＴＡには当然のようにメリット・デメリットがあり、日本の経済構造を真似て成長した韓国経済が、ＦＴＡでアメリカに食い荒らされ、いくつもの韓国国内産業が崩壊した現状を見ても、ホイホイとノーガードでＴＰＰとか日米ＦＴＡとかに乗って行く方がおかしい。
加えて、２００７年の世界同時不況以降、かつての歴史をなぞるならば、世界経済のブロック化は避けられない事になった。
そんな状況で、グローバル経済推進のＴＰＰは足枷に成り得るリスクがあるし、曲りなりにもアメリカの経済グループに混ざる事は重要な意味合いを持つけれど、日本は単独でもアメリカ、中国に次ぐ巨大経済圏であり、日米・日中双方の経済圏にとって、無視し得ないステークホルダーになっている。
ぶっちゃけ、素材技術で世界一の日本と貿易が出来なくなれば、アメリカも中国も、先端技術製品の製造に多大な問題を抱えてしまっているのだ。
結果、水面下で進む米中対立により「日本経済をどちらが取り込むか」が重要になる事が確定している。
幸い、ミンス党が大失敗したお陰で、国民の総意として中国の経済圏に組み込まれるなんて真っ平御免という空気が出来たが、だからと言って、アメポチよろしく国益を度外して虎口に飛び込む必要も無い。
なんというか、日本の外交無能はまだまだ深刻なレベルを脱して居ないと思うし。
急いで運賃も行き先も判らないバスに乗る必要なんて、無いのよ？
日本はこの色々と爆弾を抱えまくった世界経済の中で、数少ない「比較的健全な財政状態」の国なんだから、爆弾が爆発するまで待って、日本にとって良い条件が提示されるまで「傍観」するだけでも利益がある筈なのだから。