gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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東京地裁、富士重の防衛省向けヘリコプターの製造経費の請求を棄却 | レスポンス

東京地方裁判所は、富士重工業が国を相手に提起した防衛省向け戦闘ヘリコプター「AH-64D」に関する経費の請求について棄却する判決を言い渡した。
富士重防衛省から受注した戦闘ヘリコプターAH-64Dの生産を行うために発生した、防衛装備品製造のために支出される設計費、専用治工具費、技術提携費など、主に製造初期段階で支出される費用は、2002年度から2007年度まで、防衛省の要求により、他の防衛装備品と同様に、事業年度ごとに調達機数ごとに分割して支払われていた。
しかし、2008年度以降、防衛省は、戦闘ヘリコプターAH-64Dの初度費残額の負担を一切拒否する見解を示し、初度費残額は支払われていない。
富士重は、防衛省に対し、初度費残額の支払いを継続して請求してきたものの、防衛省から支払われていないため、2010年1月15日に東京地裁に対し、国を被告として、初度費の未償還額など351億2400万円の支払いを求めて提訴していた。
富士重では「主張が認められなかったことは大変遺憾であり、今後の対応は、判決の内容を精査し、訴訟代理人とも協議の上、決定する」としている。

http://response.jp/article/2014/03/01/218242.html

これはひどい…。
元々日本の軍需産業は、国家規模に比して過小な軍事費、武器輸出3原則の過剰適用による輸出制限によって、アメリカの軍産複合体のような軍事だけで飯を食える巨代利権…なんてものは微塵も無く、殆どの軍需関連企業は、本業である民需で食っており、軍需は手間とリスクの割には儲からない。
例えば、日本軍需産業の最大手、三菱重工おける軍需は10%、次点の川崎重工でも16%、3位の三菱電機は3%でしかない。(世界最大の軍需メーカーロッキードマーチンなんて軍需78%。もちろん軍需100%の企業もある)
いっそ無くなっても、企業が倒産するなんて事は有り得ない割合である。
むしろ特定平和団体やカスゴミ…もといマスコミからは死の商人呼ばわりされるという理不尽なリスクを背負ってまで国防に貢献するという、民間企業に一方的な負担の多いシステムなのだ。
この件では、富士重工側に落ち度は無い。
むしろ、結果的に少数調達になってしまったのは国側の一方的な理由であり、対して調達価格の圧縮の為、ライセンスを一括購入した富士重工の判断は、国に提示された調達価格を達成する為には、絶対に必要だったからだ。
何故なら、「予算オーバーしても国は追加で金を出さない、でも安く調達できて、儲け過ぎたら国に差額返還しろ」などという、一般的な商習慣から考えたら異常極まる国の契約条件がある為だ。(つい最近是正されたらしい)
富士重工が「ライセンスを一括購入」するのは、国と契約した調達価格を満たす為の必要条件だったのだ。
最初から少数調達だったなら、少なくとも国に富士重工が提示した金額ではそもそも調達できなかった。
無理な値引きを飲ませた癖に、値引き条件を後から反故にして、値引きされた金額しか支払わない。
どう考えても、詐欺です。ありがとうございました。