gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中印、経済で急接近 習主席が公式訪問 :日本経済新聞

ニューデリー=中沢克二】中国の習近平国家主席は17日、インドを公式訪問し、モディ首相の故郷である西部グジャラート州のアーメダバードで同氏の誕生日を祝う夕食会に出席した。国境紛争を抱える両国の首脳が「個人的な関係」をアピールするのは極めて異例だ。中国は新興国との経済連携を重視している。「全方位外交」を掲げるモディ氏も最大の貿易相手国である中国に着目する。中印関係は経済を軸に緊密化しそうだ。
「中国とインドが声を合わせれば全世界が耳を傾ける」。習氏は最近、両国計で人口が世界の3分の1を超える中印の連携の重要さを口にしている。モディ氏の64歳の誕生日を祝賀する夕食会は、18日にニューデリーで予定される正式な首脳会談に先立つ、突っ込んだ意見交換の場だ。安全保障面でなお不信感は強いが、実利重視の関係強化に踏み出す構えだ。
両首脳は夕食会前にアーメダバードで30分以上も一緒に川沿いを散歩した。途中、2人乗りブランコに横並びで座って談笑し親密さを演出した。
グジャラート州ではアーメダバードとムンバイを結ぶ高速鉄道の計画があり、日本勢が新幹線の売り込みで攻勢をかけている。中国も日本の3分の1とされる低コストを武器に受注に名乗りをあげる。7月には中国国家鉄路局の代表団が訪印し、インド鉄道省との間で、現有鉄道システムの高速化や駅の開発に関する提携を巡って意見を交換した。今回の中印首脳会談に関連し、鉄道の高速化で協力をうたう覚書に署名する可能性が強い。
鉄道関係の資金は上海に本部を置き、インドから初代総裁を出す枠組みが決まった主要新興国の出資によるBRICS銀行や、中国主導で設置するアジアインフラ投資銀行(AIIB)からの拠出が検討されている。
インドは各地で中国企業専用の工業団地の設置を進めている。17日にはグジャラート州における開設で合意した。中印貿易投資センターによると、複数の中国企業が同州へ年内に計10億ドルを投資する見通しだ。アーメダバード近郊サーナンド地区に自動車製造ハブと隣接して中国人の居住区を建設する計画もある。
インドにとって中国は最大の貿易相手国で、2013年の両国の貿易額は約660億ドル(約7兆円)にのぼる。だが、対中貿易赤字が膨らみ、今後は中国から直接投資を呼び込んで国内産業を育成し、輸出を増やす必要がある。その切り札が税制の優遇策を伴う中国専用の工業団地づくりだ。
「保守的に見積もっても今回の習主席の訪印に絡む中国の対インド投資は今後5年間で1000億ドル(約10兆7千億円)を超える。日本(がモディ首相来日時に約束した5年間で3兆5千億円の投融資)の3倍だ」
さきにインドのメディアが中国の駐ムンバイ総領事の発言として伝えた数字は衝撃的だ。中国側はこの金額を確認していないが、中国からの対印投資は当面、かなり大きな規模になるもようだ。
モディ氏は主要国への初めての外遊先として日本を選び、安倍晋三首相との「個人的な関係」を強調した。一方、中国との経済関係も重視し、故郷での私的な“誕生パーティー”に中国の政権トップを招いた。「日中をてんびんにかけるように競わせ、投資を引き出す手法は老練といえる」。外交筋はモディ外交の巧みさを指摘している。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM17H31_X10C14A9FF1000/?n_cid=TPRN0005

どの筋から書いてる記事か知らんけど、露骨に中国寄りの記事だな。
急接近も何も、首相交代の前から印中間の経済関係は大きくて、中国がインド国境に人民軍を派遣して緊張が高まった時ですら、「政治と経済は別」という中国の発言を否定せず、経済協力関係の維持を図ったインドなんだから、首相交代してもその路線は継承する、と言う意思表示に他ならない。
…が、同時に印中関係は日中関係より深刻な領土対立がある。
今の印中間系が好調に見えるのは、90年代の中国が日本との経済関係を推進する為に、一時的に反日を抑制したように、印度も経済関係を優先しているからなのだ。
00年代に入って日本の経済力が落ちると、途端に中国が掌を返したように、インドも中国経済が凋落したら、あっさりと手のひらを返す程度の「緊密化」に過ぎない。
外交巧者なインドは、経済と政治は別、と言う中国の言葉をそのままひっくり返して、日本との軍事協力関係を進めつつ、中国との経済関係を進めるくらいは、普通にやると思うよ。
投資額にしたところで、印中関係になにかあれば、あっさりストップする中国の投資が日本の何倍になろうとも、対立軸の存在しない、確実に投資される日本の融資額の方がインドにとっては「堅い」話で、インドにしてみれば「毟れる内に毟っておこう」という以上の意味合いは無いし。