gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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SAO主人公キリトへの偏見と先入観に毒されるはてブ民たち - フラン☆Skin はてな支店

実は、小説、特にライトノベルの場合、同じ本を読んでいても、内容の理解と把握には個人差がとても大きい。
日本語のあいまい表現の差でしょ?なら、大筋では変わらないだろ、…と、普通は思うんだけど、それは「ちゃんと文章を読む人」の話で、「ちゃんと文章が読まない人」というのが一定数存在する。
紙に書かれた文章は同じなのに、ちゃんと文章が読めないってナニよ?
っていうと、速読するテクニックとして文頭や末尾、単語を目に入れて、脳内で文章を再構築して「脳内で読んでいる人」達の事である。
脳内で文章を再構築する際に、間違って組み立ててしまう(誤読する)と、同じ文章を読んでいても、真逆の理解をしてしまうと言う事が起きてしまう。
これは別に読み手の頭が悪いとか、読解力が無い為に発生する話じゃなくて、むしろ頭の回転が速い、先読みしてしまう人ほど陥りやすい罠で、所謂、「空目」とか「並び順がでたらめなのに読めてしまう文章」とかと一緒の話だったりする。
だから、読書が苦手だけど、丁寧に文章を追う読み方の人の方が、誤読が減って理解が正しい事が少なく無いし、逆に読書量が多いからといって「ちゃんと文章を読む人」とは限らない、と言うのがミソ。
極端な話で言えば、「脳内で読んでいる人」は、Web等で偏見に満ちたキリト像を持った状態で読んだ場合と、事前情報が無い状態で読んだ場合とで、キリトに対して全く異なる感想を持つのだ。
とはいえ、読み手だけが悪い話なのか、と言えばそういう訳ではなく、あかほりさとる以降、急速にフリーダム化したライトノベルの文章は、悪文と呼ばれる書き方が野放しになって久しい。
悪文というのは、本来可読性を考慮して定められた文章のルールを逸脱して、理解しにくい、読みにくい文章だから、「脳内で読んでいる人」が誤読しやすい。
つまり、(作者の文章力を信頼しすぎた)読者と(読者の読解力を信頼しすぎた)作者のコラボレーションが、同じ作品を読んでいる筈なのに、話が噛み合わないほど理解が違う、という話になったりするのだ。
まあ、今回の件が、これが理由であるとは全く思わないんだけどね。(ちゃぶ台返し)
個人的に、同じ俺Tueee系作品としてSAOと劣等生を比べたとき、SAOの方が遥かに「読める」作品である理由が「「強くなり過ぎたキャラの仕切り直し」が上手く行われている」というなら、指摘は的外れだと思わない。
ただまあ、キリトも相当に主人公補正がしっかり乗っているので、それを「チート」と感じるか、「妥当な補正」と感じるかは、個人の感性だとも思うから、一概に否定も難しいと思う。
なお、SAOと劣等生を比べたのは、自分が比較をつけて分りやすくする為に勝手にやってることで、記事の引用元には無いことを付記しておく。