gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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無人機で「イスラム国」幹部らを殺害 NHKニュース

アメリカ軍は、アフガニスタンで、イスラム過激派組織「イスラム国」の地域の幹部に任命されていた男ら6人を無人機による攻撃で殺害しました。
アフガニスタン南部のヘルマンド州の警察などによりますと、9日、ヘルマンド州でアメリカ軍の無人機が走行中の車両1台をミサイルで攻撃しました。
この攻撃で反政府武装勢力タリバンのアブドル・ラウーフ元司令官ら合わせて6人が死亡しました。
ラウーフ元司令官は2001年のタリバン政権崩壊後に拘束され、数年前までキューバにあるアメリカのグアンタナモ収容所に収容されていました。
しかし、最近、イラクとシリアで勢力を拡大した「イスラム国」に加わり、「イスラム国」がアフガニスタンパキスタンを支配することを目指すうえで「副知事」と称する幹部に任命され、戦闘員の勧誘活動を行っていたということです。
アフガニスタンパキスタンでは、地元のイスラム過激派組織のメンバーが「イスラム国」に加わる動きが広がり始めていて、アメリカとしては、タリバンに加えて「イスラム国」も勢力を広げればアフガニスタンがさらに不安定になると懸念して、早期に封じ込めようとしているものとみられます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150210/k10015344111000.html

気のせいだろうか、テロに対するカウンターを突き詰めていくと、結局は「テロリズム」と同じ手法へと回帰していく感がひどい。
かつてアメリカは、対テロ戦争を宣言し、アフガニスタン紛争を起こした。
しかし、非対称かつ低烈度紛争に於いて、対ソ戦を目的に揃えた兵器群は明らかにオーバースペックであり、政府・政権といった国家を破壊する事は容易だったが、一方的に平和を打ち砕かれたアフガニスタン国民全体から憎まれたアメリカは、戦争中より多くの兵士を、不正規戦で駐留期間に失うことになった。
あまりの損害に耐えかねて、正規軍の代わりに民間軍事会社(PMC)を利用して、「表向きの被害者数」を減らす努力をする羽目になるほどである。
この教訓は、対テロ戦争に既存の戦略・戦力は不適であるというもので、ここ10年ほどで無人兵器の急速な発達と普及が進んだのは、この教訓に対する回答の一つと言うものだろう。
しかし、その実態は何てことは無い、相手のレベルに身を落としての要人テロの応酬。な訳で、ここでもまた非対称戦の格差が、アメリカは要人狙い、アメリカの要人を狙う程の力は無いイスイス団は民間人を狙った誘拐、無差別テロ、という形になっているだけ。
このやり方の場合、アメリカ政府・アメリカ軍としては統計上の人命を損耗せず戦果のみを積み上げられる一方で、長期化するテロ戦争と、テロの応酬がエスカレートする事で、911のようなテロが再度起こるなどして民間人の被害が積み上がる点が問題。
かと言って、短期間でイスイス団を殲滅するような「戦争」を仕掛ければ、アフガニスタン紛争の二の舞であり、アメリカ政府・アメリカ軍としては許容できない結果となる。
…つくづく、めんどくさい話だよねぇ…。
閑話休題(それはさておき)
国連で、無人機の攻撃による一般人の巻き添えが問題視されているけれど、イスイス団の場合、最初から拠点を街中に置き、一般人や人質を肉の盾として身を守ってる相手だから、「それ」を問題視するなら最初から「一切手を出さない」「イスイス団による支配地域での虐殺・略奪を見逃す」という判断をするべきで、「野良猫に餌をやる問題」に近い部分がある。
ちなみに、自分は「責任が取れないなら野良猫にエサはやらない」派なので、「飼う気もないのに餌をやる」人をクズたと思い、「野良猫の去勢と飼い主さがし」する人を立派だとは思うけれど、多少の募金以上の支援はできないかなぁ。
これをイスイス団の事例に適用するなら、責任を取る気はないのに中途半端に手を出している欧米諸国は紛争の拡大要因だとしか思えないし、イスイス団から逃げて国境を越えた難民保護に資金援助…という安倍ちゃんの政策支持という結論に至ってしまうのがニンとも。
これを逆に演繹すると、「安倍の資金援助はイスイス団に喧嘩を売る行為だ、だから日本人が2人も殺されたんだ、責任取れ!」と非難している人は、多分野良猫相手には「野良猫の去勢とか飼い主さがしとかやってる偽善者が居るから、野良猫が増えるんだ。野良猫は殺せ、野良猫を支援している連中に責任を取らせろ」とか考えているのかなぁ…。