オバマ米政権が中国主導投資銀との共同事業を提案(産経新聞) - goo ニュース

【ワシントン＝小雲規生】米紙ウォールストリート・ジャーナル（電子版）は２２日、中国主導で創設されるアジアインフラ投資銀行（ＡＩＩＢ）をめぐり、オバマ米政権が米国主導の世界銀行やアジア開発銀行（ＡＤＢ）との共同出資事業を提案したと報じた。
オバマ政権は、ＡＩＩＢの融資に際しての環境や労働条件に関する基準が既存の国際金融機関に比べて低くなる可能性などに懸念を表明してきた。シーツ財務次官（国際問題担当）は同紙に対して、「世銀やＡＤＢとの共同出資事業は、歴史的に有効性が証明された高い基準を確保することに役立つ」と話した。
オバマ政権はＡＩＩＢが中国の影響力拡大の手段として運営される懸念があることから、各先進国に参加を思いとどまるよう呼びかけていたとされる。しかし今月に入って英仏独伊が相次いで参加を表明しており、オバマ政権は共同事業によってＡＩＩＢ外部から影響力を及ぼす方法を模索しているとみられる。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/finance/sankei-ecn1503230006.html

記事をよく読めばわかるけれど、アメリカは参加するとは一言も言っていない。
でも、オバマって本当にアホというか、完全にレームダック化してて、誰からも相手にされていない感が酷い。
ＡＩＩＢはＧＤＰ比の出資比率で発言権が決まる、というフレコミだから、アメリカが参加すると一気に中国の出資比率が５割から３割に激減してしまう。(アメリカが５割になる)
だから、ＧＤＰで追い抜き済の日本参加なら大歓迎だけど、世界一位のＧＤＰを誇るアメリカの参加は、中国にとっては大迷惑なんで、絶対認めないというのが中国のジャスティス。
アメリカもそれを理解しているから、断られる事が判り切っているＡＩＩＢへの直接参加を避けて、共同事業という形で中国を牽制したいんだろうけれど、中国がまともに取り合う筈が無い。
周囲からは生暖かい半笑いで見られているのが現実。
なお、この件で日本が孤立したとしても、ＡＤＢの債権をＡＩＩＢへ借り換えて一本化して貰い、日本は債権回収して、その金を原資に個別ＯＤＡを結べばよいから、焦る必要はない。
むしろ、実質的ＯＤＡなのに、国際的な投資銀行機関を通す事で「日本からの貸し」という事実を薄めて金をばらまき、大体は中国とかインドとか回収困難な国の債権である現状、借り換えして耳揃えて返済してもらえるなら、日本としては万々歳としか言いようがない。
強いてデメリットを挙げるなら、中国がインドの実質的債権国になるぐらいだけど、建前上はＡＩＩＢの債権だから、あんまり無茶は言い辛いだろう。