gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中国、兵力30万人削減表明 戦勝70年「覇権唱えず」:朝日新聞デジタル

中国共産党と軍、政府は3日、「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」の記念式典を北京・天安門広場で開いた。兵士1万2千人による大規模な軍事パレードも行われ、最新兵器を披露した。習近平(シーチンピン)国家主席は演説で、列強の侵略を受けた歴史からの決別と、平和的な台頭を目指すという中国の立場を強調し、中国軍の兵力30万人削減を表明した。
習指導部は1945年9月2日に日本が降伏文書に調印したことを受け、戦勝を祝った3日を「抗日戦争勝利記念日」とし、終戦70周年に合わせて初めて国家的式典を開いた。
習主席は演説で「抗日戦争の勝利で日本軍国主義の企てを徹底的に粉砕し、大国としての中国の地位を再び打ち立てた」と戦勝の意義を強調。「中国は永遠に覇権を唱えず、拡張を図らず、自らが経験した悲惨な経験をほかの民族に押しつけることはしない」と平和発展を目指す姿勢を示し、約230万人の中国軍の兵力を30万人削減すると言明した。国際社会に対して、「国連憲章を核心とする国際秩序を守っていくべきだ」と述べた。

http://www.asahi.com/articles/ASH9335FVH93UHBI00C.html

実は、この「兵力30万人削減」という物は、かなり画期的だが、全く軍縮になって居ない茶番だったりもする。
日本やアメリカの軍隊と異なり、中国の人民解放軍は、国軍ではなく、中国共産党の私軍であり、軍区と呼ばれる大きな区分けの中で、半ば独立採算で運営維持されている。
中国共産党という党の為に働く事を誓った軍閥の集まりが、中国という国家を形成しているのだ。
何の事は無い、広域暴力団と同じ仕組みである。
だから、この決定は、例えるなら山口組のトップが、その舎弟である下部暴力団の組長に、「おいお前、ちょっと組員を減らせや」と命じるに等しい行為であり、舎弟とはいえ組織のトップである組長の「内政」に関わる部分への直接介入となるから、明らかに相手のメンツを潰す行為となる。
つまり、これが「出来る」と言う事は、軍閥に対して中国共産党の支配力が、かつてない程高まっている、と判断できるのだ。
これが、画期的な点。
一方、先進国の軍隊であればある程、軍隊の「質的向上」が進んで、数が減る事は常識であり、中国の常備230万人という数字は、元々先進国の軍隊ではありえない規模なのである。
急速な近代化を進める人民解放軍に於いて、自然に削減が進められており、2000年に比べると既に3万人近い兵数が削減されている。
簡単に言うなら、今回の「30万人削減」というのは、大規模な(日本的な意味の)リストラであり、ここ10年ほどの間に急速に進んだ近代化で、余りに余った使えない人材を、中国共産党の名前でクビにできるチャンス。…という訳で、これによって中国が軍縮したのか、と言われれば「全然」というのが現実だったりする。
多分、軍閥が文句を言わずに受け入れたのは、そーいう意味もあるんじゃないかな。
これが、茶番と呼んだ理由である。
この記事を見て、「ほらっ、中国は平和的発展を目指してるんだ!」と勘違いしてしまう人は…あんまり居ないと信じたいが、実体を見れば、何の事は無い、軍縮ではなく、真逆の軍の効率化を目的としたのリストラだというのがこのニュースである。