gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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日・フィリピン、防衛装備の移転協定に大筋合意へ=関係者| Reuters

[東京 16日 ロイター] - 日本とフィリピン両政府は、防衛装備の移転協定に大筋合意する方向で調整に入った。哨戒機など自衛隊の中古装備をフィリピン軍に供与することが念頭にある。中国の人工島をめぐって地域の緊張が高まる中、日本は東南アジア諸国の海洋安全保障の能力支援を通じ、南シナ海問題へ関与を強める。
両国政府の複数の関係者によると、安倍晋三首相とフィリピンのアキノ大統領が今週、マニラで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会合に合わせて会談し、合意する見通しだ。
第三国への技術流出を防ぐルールなどを定めた防衛装備協定を日本が結ぶのは、米国、英国、オーストラリア、フランスに続き5カ国目。これまでは潜水艦など武器の共同研究・開発に取り組むために締結してきたが、フィリピンの場合は自衛隊の中古装備を供与して軍事力の向上を支援することが主眼にある。
日本が具体的に供与を検討しているのは、海上自衛隊が操縦訓練に使う航空機「TC‐90」や対潜哨戒機「P‐3C」。南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの海上監視能力の強化につながるとみている。日本は今後、国有財産の中古装備を無償や低価で供与可能にする枠組み作りを国内で進める。
南シナ海に人工島を造成した中国に対し、米国は艦船や爆撃機を同海域に派遣した。日本はフィリピンやベトナムなどの海洋安全保障の能力を支援したり、共同訓練を増やすことなどで、中国をけん制する姿勢を強める。インドネシア、マレーシア、インドとも装備協定を結ぶ方向で協議をしている。
(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)

http://jp.reuters.com/article/2015/11/16/japan-philippine-idJPKCN0T509220151116

日本国内で余剰・退役する装備を供与ってのは判るんだけど、色々とモッタイナイと思う。
理由として、日本の装備は高価すぎて、周辺国で「持ちきれる」国が存在しないのが問題。
例えば、今回供与品目に含まれているP3Cなんかがその代表で、域内で日本と中国に次ぐ3位のGDPと、戦争中なのでGDP比2%近い高い軍事費を誇る韓国ですら、アメリカからP3Cを調達するには金が足り無くて、旧式の対潜哨戒機を調達している状況。
対してフィリピンは、つい最近までまともな空軍もなかった上に、島嶼国家の癖に、海軍も貧弱で対艦ミサイルも対潜攻撃も出来ない中古コルベットしか持たない、陸軍なんか老朽化したスコーピオン軽戦車ぐらいしか保有していない弱小国家で、仮にP3Cを日本が無償で供与したとしても、維持する金も能力も無い。それどころか、使いこなす能力も無い。
…正直、こんな状態で良く在比米軍を追い出すなんて決断が出来たもんだと、呆れるしかないが…。
という訳で、TC90はP3Cを使いこなせそうにないなら、代わりに供与する予定の機体だったりする。