イラン「大使館がサウジアラビアの攻撃受けた」 NHKニュース
サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶し緊張が高まるなか、イランは、内戦状態にあるイエメンの首都サヌアのイラン大使館がサウジアラビアの攻撃を受けたと主張し、両国の対立がさらに深まることが懸念されています。一方で、大使館に大きな被害は見られないという目撃情報も出ています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160107/k10010364561000.html
イランの国営メディアは7日、内戦状態にあるイエメンの首都サヌアでサウジアラビアの軍用機がイラン大使館を攻撃したと伝え、外務省の報道官は、現地スタッフがけがをしたほか大使館の建物も被害を受けたと主張し「意図的に狙ったものだ」などとサウジアラビアを厳しく非難しました。
一方、現地からの報道によりますと、大使館の建物に外見上の被害はなく、ロイター通信は目撃者の話として、大使館から700メートルほど離れた場所が爆撃され破片などが大使館に落ちたと伝えています。
サウジアラビアは、周辺のアラブ諸国とともに去年3月から隣国イエメンで、イランが支援しているとされるシーア派の武装勢力に対し空爆を続けています。
大使館が攻撃されたとするイラン側の主張について、サウジアラビア側の報道官はロイター通信に対し、調査中だとしたうえで「サウジアラビアに向けてミサイルを発射した反体制派の武装勢力に対して激しい空爆を加えている。武装勢力は放棄された大使館や民間施設を使っていた」としています。
サウジアラビアはイランと外交関係を断絶し緊張が高まっていますが、今回の事態を受けて両国の対立がさらに深まることが懸念されています。
「代理戦争」の様相呈するイエメン
イエメンでは、イスラム教シーア派の反体制派を支援しているとされている同じシーア派のイランと、スンニ派の政権側を支援するサウジアラビアとの間で、いわば「代理戦争」の様相を呈していました。
イエメンでは、北部を拠点とするイスラム教シーア派の武装勢力「フーシ派」が去年2月、首都のサヌアを掌握したあと、首都を追われたスンニ派のハディ政権との間で激しい内戦状態となっています。「フーシ派」はシーア派の大国イランの支援を受けていると指摘されています。
一方、ハディ政権に対してはスンニ派の大国サウジアラビアなどが支援を行い、去年3月からエジプトやヨルダンなどのスンニ派アラブ諸国とともに反体制派に対する空爆を開始し、いわば「代理戦争」の様相を呈していました。
700mも離れた場所に着弾し、飛んできた破片が建物にぶつかった話を、「攻撃を受けた」と言い張るのは無理があるだろJK。
アメリカの一般的な航空機搭載爆弾であるMk82 500ポンド爆弾の危害半径は300m程度。
その4倍もの重量のMk84 2000ポンド爆弾ですら危害半径は400m程度とされる。*1
つまり、700mも離れた場所への着弾なら、ほぼ被害ゼロなのだ。