gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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米空軍の次期ジェット練習機コンペ、Boeingによる既存機の改修案が勝利 - BusinessNewsline

US. Air Forceがパイロットの訓練用に使用しているジェット練習機「T-38 Talon」に代わる次世代ジェット練習機「T-X」コンペに関して、USAFは5日、Boeingによる既存のT-38の機体改修案を選定したことを発表した。
Boeingを今後、締結される契約に基づき既存のT-38Cのコックピットを最新のデジタルコックピットに改修を行う。T-38Cはまた、Pacer Classic IIIに基づく構造部分の改修も図られることが予定されており、これらの改修により機体寿命は2029年まで延長されることとなる。
これらの改修に伴う総費用は向こう10年の総額費用で8億5500万ドル(約1026億円)となる見通し。
T-Xのコンペには、イタリアのAlenia AermacchiがM-346 Masterを、Northrop GrummanがBAE Hawkを、韓国のKAIがT-50 Golden Eagleを、TextronがScorpionを投入することをコンペの勝利を目指して営業活動を進めてきたが、今回のUASFの決定により、既存機の改修案が、次世代機を抑えるというやや皮肉な結果とった。
ただし、今回、決定した機体改修案の元で可能なのは、機体寿命の2029年までの延長に止まっており、その後については不透明なままとなっている。
そのため、USAFでは、T-Xのコンペについては、最終決定を先送りとした上で、今後、改めて次世代機をどうするのかを決定することを計画している。

http://www.businessnewsline.com/news/201601061121000000.html

これ、採用競争で負け続けのボーイングを維持する為の判断なんだろうけど、これによって最も割を食った形になるのが、韓国のT50だったりする。
何故なら、今回のT−Xが実質的に2029年までずれ込む事により、新型機開発が間に合わないボーイングやら、テクストロン・エアランド社の新型機が間に合う事になり、現在提案されている機体の中で最新であったT50が、旧式化・陳腐化してしまう為である。
特に、最近事故続きで、ロッキードマーチンですら次期T−XはT50を止めて新規開発するんじゃないかと言われている状況なので、29年の次期T−Xではかなり不利な状況に置かれるだろう。
こうなると、アメリカのT−Xで最低350機、2兆円規模の皮算用で、日本から20年遅れで第4世代ジェット機の開発を高額負担でやったのに、手元には西側以外には輸出できない高価で古臭い高等ジェット練習機だけが残されるという哀れな結果に…。
まあ、アメリカと中国を天秤に乗せて、中国に擦り寄った結果だから、自業自得なんだけどね。
もし、一途に親米のままだったなら、このT−Xのお詫びに、KFXへの技術支援はもっと手厚くおこなわれていただろう。
しかし、現実にはKFXに対してアメリカはほぼ支援なし、という結論を出している。
T50は売れず、KF16の改修も出来ず、F4・F5の代替開発のKFXも頓挫、と。
まあ、是非も無いね。