gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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時事ドットコム:米、「そうりゅう」採用促す=豪の新潜水艦−現地紙報道

シドニー時事】オーストラリアの次期潜水艦開発計画で、米政府高官らは今月訪米したターンブル豪首相に対し、米政府は日本が提案する「そうりゅう」型潜水艦の採用を強力に支持する考えを伝えたもようだ。25日付の豪紙オーストラリアンが関係筋の話として報じた。
最大12隻の新潜水艦の共同開発に向け、日本とドイツ、フランスが受注を争っている。豪州の同盟国である米国が日本案を支持したことで、日本が優勢になった可能性がある。
米政府高官は日本支持の理由として、そうりゅうの潜航能力の高さや日米豪の軍事連携強化の意義を強調。豪政府内には「日本製採用を見送った場合、米国から潜水艦向け最新鋭戦闘システムの供与を受けられなくなる」と懸念する声が上がっているという。 
ターンブル政権は今年半ばにも共同開発相手を決める方針を示していた。ただ、より有利な契約条件を引き出すため、提携先をひとまず2カ国に絞り込む案も浮上している。(2016/01/25-10:30)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2016012500163

いやいや、こんな所でアメリカの援護射撃要りませんから、むしろフレンドリーファイアーやーめーて。
そもそもの話、日本のそうりゅう型に限らず、日本の潜水艦って、搭載武装から探知機器、火器管制装置に至るまで、全て国産という完全なガラパゴス状態なんで、アメリカ製の最新鋭兵装とアビオニクスを搭載するにあたって、船体が日本製であるか、ドイツ・フランス製であるかは、全く関係ない。
ただ、今回の話はアメリカの主導で「日本製の潜水艦のドンガラに、アメリカ製の最新鋭兵装とアビオニクスを搭載してやるぜ」って話でスタートしただけで、太平洋の重要性と米豪関係を考えれば、日本が受注できなくても、アメリカ製兵装とアビオニクスを供与しない、と言う話になると、逆にアメリカが困る。
万が一、ドイツやフランスに搭載武装まで握られてしまうと、アメリカとオージー間で武器弾薬が共用できなくなり、いざというときに困るからだ。
ついでに言うと、12隻5兆円と言われる巨額プロジェクトだが、1隻4000億円なんてアホな額が日本に支払われる訳ではない。
日本のそうりゅう型は、日本の調達価格だと、武装コミコミで1隻500から600億円である。
しかし、値段の高い武装アビオニクスアメリカが売る予定であり、日本の担当分は、12隻分の船体と動力部、そして修理や維持に必要な技術供与である。
つまり、どんなにボッタくっても船体1隻400億、技術供与に1000億で6000億円も取れれば御の字、と言う話だったのだ。
それでも、日本国内生産なら6000億の大部分が日本に落ちる、更には技術漏出も最低限で済む、と言う話だったのが、オージーの都合でひっくり返った。
オーストラリアで現地生産となれば、日本国内に落ちる利益なんて、更に半分の3000億円も無いだろう。
にも拘らず、技術漏出の危険に加え、技術供与は最大限の便宜を図らなければならない。
もう完全に罰ゲームの世界だよね。