【悲報】北朝鮮のミサイル探知できん模様 : 大艦巨砲主義！
北朝鮮が３日、「ノドン」（射程１３００キロ）とみられる中距離弾道ミサイル２発を発射し、うち１発が約１０００キロ飛行して秋田県・男鹿半島の西約２５０キロの排他的経済水域（ＥＥＺ）に落下した。北朝鮮のミサイルの弾頭部分が日本のＥＥＺに落下したのは初めてだが、日本政府はミサイルの破壊措置命令を出すことができず、ミサイル防衛能力の限界も露呈した。国連安全保障理事会は、日米韓の要請で３日午後（日本時間４日午前）に緊急会合を開く予定。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160803-00000128-mai-pol
ノドンは核弾頭の搭載が可能とされ、日本のほぼ全域が射程に入る。安倍晋三首相は３日夜の記者会見で、「わが国の安全保障に対する重大な脅威だ。国際社会と緊密に連携し、毅然（きぜん）と対応する」と語った。日本政府は国連安全保障理事会の決議に対する明確な違反として、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議した。
政府関係者によると、弾頭が落下した地点付近にはイカ釣り漁場があるが、漁業関係者や船舶、航空機の被害は確認されていない。防衛省は３日、自民党の会合で、今回は被害が出なかったなどとして、日本に外部から武力攻撃が行われ、自衛隊の防衛出動が可能となる武力攻撃事態には当たらないとの判断を示した。
北朝鮮は今回のミサイル発射に関して事前通告せず、車両で移動できる発射台（ＴＥＬ）を使ったとみられることから、周辺国や国際機関でも十分な兆候をつかめなかった。日本は迎撃ミサイルを搭載したイージス艦や地上配備型迎撃ミサイルのパトリオット（ＰＡＣ３）を展開させておらず、国が各自治体などを通じて緊急事態を知らせる「Ｊアラート」の発信もなかった。
政府関係者は「もし日本の領土まで飛んできても、迎撃できなかっただろう」と打ち明ける。常時迎撃体制をとることができる陸上配備型の高高度迎撃システムの導入に向けた議論が加速する可能性もある。
今回の発射軌道の延長線上に位置する青森県つがる市の米軍車力通信所内には、ミサイル防衛用の早期警戒レーダー「Ｘバンドレーダー」が配備されており、ミサイル防衛関連施設への攻撃を想定した訓練との見方もある。
自衛隊と海上保安庁は３日、秋田県沖の日本海上で、ミサイルの破片とみられる物体を航空機から確認した。海上自衛隊の護衛艦などが現場海域で回収作業に当たっている。自衛隊などが北朝鮮の弾道ミサイルの破片を洋上で発見して回収した例はない。回収できればミサイル技術や性能などを分析する。【村尾哲、町田徳丈】
輸送起立発射機(ＴＥＬ)による発射の兆候を掴むのは、戦争中のアメリカでも至難の業。
基本的に、発射された後に気が付いて対応するしかなく、今回の様に不意を打たれて発射された場合は、迎撃はほぼ不可能だったりする。
何故なら、北朝鮮からの発射だと、距離的にレーダーに探知されてから着弾まで数分程度しかなく、レーダーで捉えても、指令所が「誤報かどうか確認せよ！」とか言ってる内に着弾してしまうから。
なので、事前に破壊措置命令を貰っておいて、ＰＡＣ３やイージス艦を所定の位置に展開して迎撃ミサイルをホットスタンバイにして置き、発射の兆候を検知したら、誤報だろうが構わず迎撃ミサイルを即時発射する、という体制を整えておかないと、間に合わない。
それだって、ＰＡＣ３だと「拠点防空」しかできないから、事前に展開してある場所しか守れない。*1
実の所、ＭＤってのは全力でも「急所をかろうじて守ることしかできない」ってのが実情なんだけど、それを言っちゃうと「日本全土を守るＭＤを」とか不可能な事を言い出されかねないから、国民の理解と現実に乖離がある。
本気でＭＤやるなら、最低限でもイージスＢＭＤ艦を日本海に常時３隻展開するぐらいの能力が必要。*2
もしくは、中国の様に、天然ガス採掘プラントに偽装した前進基地を日本海上に３か所設置して、地上型イージス*3を設置するか。
どちらにせよ、今から整備しても、５年程度の時間と１．５兆円ぐらいの追加費用が掛かるけどな。
…ていうか、冷戦期なら、事前通告も無くＴＥＬから敵対勢力国のＦＥＺに向けた弾道ミサイル発射なんて、宣戦布告なき戦争行為と言われても、文句は言えないレベルの蛮行であり、即時報復核攻撃されても仕方ない狂った行動なんだが、繰り返される北朝鮮のＤＱＮ行為に慣らされた世界の鈍感さが、それを許容しているという、当事国である日本や韓国にとっては、本気で困った状況。
アメリカが何もしてくれないのは、マジでヤバい。
…そもそも、中国と北朝鮮の武力台頭は、アメリカが弱体化して内向化した結果なんだけどな。
*1:更に言うと、北朝鮮の自称・ロケット打ち上げもＳＭ３で自動的に全部撃墜するぐらい体制じゃないと意味が無い。それをやると北朝鮮は自業自得ではあるが、激おこだろう
*2:その場合、今のイージスＢＭＤ艦４＋２隻体制では全く足りず、追加で最低３隻が必要。ミサイルコミコミ６千億円ぐらいは追加費用が要るし、アメリカから情報提供されない場合は、自前で監視衛星網を整備する必要があり、その場合は追加で２０００億円と年間４００億円ぐらいの維持費が要る
*3:強力なレーダー波を発するレーダーを必要とする為、狭い日本では本土に設置は難しい。かと言って離島だと適当な場所が無く、海上プラットフォームだと維持整備にカネが掛かるし、破壊工作されやすい。痛し痒しである
